本記事のテーマは楽器の買取ですが、私自身は「一度購入したギターに思い入れが強くなって、なかなか手放せないタイプ」でした。とはいえ、楽器店で長く働いていると、自ずとギターのコレクションは増えていきます。
徐々にメンテナンスが行き届かなくなったり、コンディションの維持が大変になる。一本一本を弾ける時間も少なくなる……。
いつしか「使用頻度の少ないギターは、今現在必要としている人の手に渡ってほしい」と考えるようになりました。
げんきんな話、手放すときには高く買い取ってもらえるに越したことはありません。元楽器店員視点でギターを売るまでの手順、予備知識を解説していきたいと思います。
ギターを買取に出すときの流れ・おすすめの手順
ギターを売ろうと思っておすすめの買取店や比較記事を探しても、結局どこが高いのか判断しにくいですよね。
実際の査定額は、売る時期やモデル、状態、その店の在庫状況などでも変わります。口コミやランキングのような限られた情報で「ここが一番高い」と決めるのは難しいです。
そこでおすすめしたいのが、最初から一社に決めず、複数のショップで事前査定をしてもらうこと。特にオンライン査定を使えば、さほど手間をかけずに比較できます。
ステップ1:メーカー名・型番・購入時期・改造箇所・状態を整理する
まずは自分の持っているギターについて情報を整理するところからはじめましょう。
オンライン査定では写真からおおよその金額を判断しますが、プロの担当者でも画像ではモデルや状態を判別しにくいことが少なくありません。
自分の楽器のメーカー名・型番を正確に伝えられるように、保証書や認定証、レシートなどを用意しておくとスムーズです。
楽器の状態については、自分が分かる範囲で大丈夫。 たとえば下記のように購入時期、改造・交換したパーツ、目立つ傷や不具合、付属品の有無などをメモしておきます。
~年頃に新品で購入したワンオーナーもの。付属品も揃っています。
ローポジションのフレットに少し凹みがありますが、音詰まりなどは起きていません。
購入後トラスロッドの調整はしないで済んでいます。劣化したボリュームポットを純正品に交換しました。パーツのくすみや、ボディエンド付近の打痕(だこん)が目立ちます。
なるべく正確にかつ正直にまとめておくことで、事前査定と最終的な査定額が大きくズレにくくなります。
ステップ2:自分でも買取価格の上限や相場を調べてみる
次に、モデル別の買取価格を検索できる楽器店のサイトを確認してみましょう。
メーカーやモデル名から買取上限金額を検索できる場合があります。あくまで上限なので実際には状態次第で減額されますが、査定に出す前に相場感を知っておくことが大切です。
他にもデジマートやJ-Guitarなどのポータルサイトで売約中・商談中・販売済みになっている中古価格を調べてみるのも一つの手です。
あくまで目安に過ぎないですが「買取金額は中古相場の半分くらいかな?」といった具合に大まかな目星を付ける参考材料になります。
ステップ3:複数の楽器店にオンライン査定を依頼する
冒頭でも触れましたが、事前査定を依頼するときは複数店に依頼しましょう。
その際は、「何社かに事前査定をお願いしています」と普通に伝えてしまって構いません。無理に価格交渉をしなくても、「他社と比較中」と知るだけで、業者側も自然と査定を頑張ってくれるようになります。
大手楽器店のWebサイトからメールやフォームで問い合わせる方法もありますし、昨今はLINE査定を行っているショップがほとんどです。
各社とも競合調査を行っているので、さほど価格差がないこともありますが、モデルによりけりなので実際依頼してみないことには何ともいえません。
査定額はもちろん、返答の早さや、丁寧さ、説明の分かりやすさも店ごとに違います。同じ系列店でも担当者次第という場合もあるので、ぜひ先入観なしで何社か比較してみてください。
ギターを買取に出すときに知っておきたい予備知識
ギターを売る手順の説明は以上ですが、その他のハウツー、予備知識について補足しておきたいと思います。
ヤフオクやメルカリが必ずしも高く売れるとは限らない
楽器に限らず、中古品は個人間で売買したほうが高値が付きやすいですよね。
ただし、ギター本体をオークションやフリマサイトで売るのは少々難易度が高めです。
買う側の立場で考えると、「本当にモデル名は合っているのか」「画像で分からない不具合や改造歴はないか」など、何かと不安になることが想像できると思います。
やはり新規アカウントは敬遠されがちですし、マイナーなモデルだと閲覧数や入札件数が伸びにくいこともあります。
また、エフェクターなどと異なり、ギター本体は梱包や発送にも手間がかかります。運送事故や受け取り後のトラブルが起きたとき、自分で対応しなくてはいけないことも知っておきましょう。
査定前に簡単なクリーニングとメンテナンスはしておく
買取に出す前に「クリーニングやメンテナンスは不要」と言われることもありますが、査定する担当者の第一印象を考えると、最低限の手入れはしておいた方がいいと思います。
ポリッシュやフレット磨きなどは他のギターにも使える消耗品なので、手元になければこれを機に用意しておくのも良いでしょう。
あまり神経質になる必要はありませんし、自分ができる範囲で問題ありません。長期間放置していたことが明らかな状態のまま査定依頼するのは避けるのが無難です。
持ち込み買取・宅配買取・出張買取は状況に合わせて選ぶ
ギターの買取方法は、大きく分けると持ち込み・宅配・出張の3パターンがあります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、状況に応じて選びましょう。
近隣の楽器店が買取を行っているのであれば、店頭へ持ち込むのがいちばん手軽です。ただし、混雑具合によっては待ち時間が長くなったり、当日中に査定結果が出なかったりする場合があります。
宅配買取は、遠方の専門店にも依頼しやすいのがメリットです。一方で、梱包資材や送料の負担、本人確認の方法、キャンセル時の手続きなどはショップごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。
出張買取は、ギターが複数本ある場合や、大型アンプなど梱包が難しい機材をまとめて売りたいときに便利です。ただし、一定以上の本数や査定金額が条件になることもあります。人によっては、他人が自宅に来ることに抵抗があったり、査定額に納得できなかったときに断りにくく感じるかもしれません。
最近はリサイクルショップや総合リユース店でも、楽器の取り扱いを強化しているお店が増えました。
モデルによっては楽器専門店と遜色ない査定額が付くこともありますし、楽器以外の品をまとめて売りたい場合にも重宝します。
下取り査定やブランド指定の買取キャンペーンを利用する
ショップによっては、買い替え時の下取りや複数点のまとめ売り、特定ブランドを対象に査定額が上乗せされるキャンペーンを行っていることがあります。
また、必ずしもキャンペーンという形でなくても、下取りでは通常より良い条件を提示してもらえる場合があります。新しいギターの購入を検討しているなら、まずは同じ店舗で相談してみるのがおすすめです。
普段から楽器店のメルマガやLINE公式アカウントなどをチェックしておくと、買取キャンペーンの情報も拾いやすくなります。急いで売る必要がなければ、キャンペーンのタイミングを見て査定に出すのも一つの方法です。
委託販売は信頼できる店舗がある上級者向けの選択肢
ハイエンドモデルやヴィンテージ楽器では、委託販売も定番の売却方法です。
聞き慣れない方もいるかもしれないですが、一部の楽器店では、自分のギターを店頭に置いてもらい、売れた後に所定の手数料を差し引いた金額が入金される仕組みがあります。
どちらかといえば上級者向けの選択肢ではありますが、「顔なじみの店員さんがいる」「普段から通っている専門店がある」のであれば自然と選択肢に入ってきます。
ただし、委託販売はショップ選びが重要です。入金が遅れる、連絡が取れなくなる、最悪の場合は楽器が戻ってこない等のトラブルもあるので、きちんと信頼できる店舗に依頼しましょう。
まとめ
近年は為替の影響もあり、中古楽器市場の活況が続いています。以前より高値で売れるモデルもあるので、相場を確認しながら複数店舗で比較してみましょう。
大切にしてきた楽器だからこそ、納得できる条件で次の持ち主へ渡せるといいですね。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。






