【2022年版】ハミングバード人気機種|ギブソン・エピフォン編

【2022年版】ハミングバード人気機種|ギブソン・エピフォン編ギターの選び方を解説

世の中に数多あるアコギの中でも、ギブソンとエピフォンのハミングバードは往年の人気機種です。

そして同じモデル名でも、ギター初心者向けの廉価版から玄人向けの最高峰グレードまで、製品の種類・価格帯も様々なバリエーションがあります。

本記事では同じハミングバードの中でも機種ごとに異なる「ギターの特徴や違い」を解説していきたいと思います。

ラウンドショルダースタイルでなで肩のJ-45ボディ
ラウンドショルダースタイルでなで肩のJ-45ボディ
スクエアショルダースタイルのやや角張ったハミングバードボディ
スクエアショルダースタイルで角張ったハミングバードボディ

ギブソン系のアコースティックギターでは、J-45に代表されるなで肩のラウンドショルダーモデル(画像左)が有名。

それに対峙するもう一つの定番が、ハミングバードのようなやや角張ったスクエアショルダーモデル(画像右)となっています。

弾き語りや歌モノの伴奏、ロック系のギタリストに愛用者が多いよね。

以下、Gibson/Epiphone Hummingbirdの2022年12月現在で入手可能な最新ラインナップをチェックしていきましょう。

ハミングバードの特徴、ダブとの違い|ギターの基礎知識

もともとハミングバードは1960年当時、Gibsonがスクウェアショルダーデザインを初めて正式採用したフラットトップギターでJ-200モデルに次ぐ高級なモデルでした。

平行四辺形を隣り合わせに並べた指板のポジションマークが特徴的で、これは「Double Parallelogram(ダブルパラレログラム)」インレイと呼ばれます。

画像をタップすると楽天市場で表示 ギブソン・1967年製ハミングバード

モデル名の表記は「Humming Bird」ではなく、真ん中にスペースを空けずに綴るのが一般的。高速で羽ばたくホバリングが有名な「ハチドリ」のことですね。

ギターのピックガードには、蝶々と、ハチドリがトランペットフラワーの蜜を吸っている絵柄が描かれているよ。

混同されやすいところでは、ピックガードに鳩(ハト)がデザインされたDOVE(ダヴ)があります。

画像をタップすると楽天市場で表示 GIBSON DOVE

歴史的にギブソンDOVEのほうは1962年にリリースされた後発モデル。ピックガードだけでなくブリッジも形状が違いますね。

ネック周りの部分に着目すると、弦長24.75インチを基本とするハミングバードと異なり、25.5インチのロングスケールとなっているのが特徴でしょう。

ハミングバードは通常マホガニー材のボディであるのに対して、ダブは硬質なメイプル材のボディが標準仕様となっています。

DOVEのほうが甘さ控えめでブライトなサウンドになりやすい傾向があるよね。

エピフォン版ハミングバードの種類とモデルごとの違い

それでは初心者から中級者向けのアコギで定番のエピフォンブランドから見てみましょう。

ギターのデザインはオリジナルを踏襲していますが、ギブソン本家のハミングバードと違い、海外工場で生産を効率化(量産)することで販売価格が抑えられています。

インドネシア工場生産でコストパフォーマンスを高めたギブソン直系ブランドEpiphone版ハミングバード
インドネシア工場生産でコストパフォーマンスを高めたギブソン直系ブランドEpiphone版ハミングバード

過去にいくつかのバリエーションが製作されてきましたが、新品のエピフォン現行機種で選ぶならハミングバードは2製品。

「モダンアコースティック・コレクション版」と「インスパイアドバイギブソン・コレクション版」を順番にチェックしてみましょう。

Epiphoneで最もお手頃なHummingbird Studio (Hummingbird Pro)

まずは最もお手頃なモダンアコースティックコレクションのハミングバードスタジオ(旧名称:ハミングバードプロ)です。

2012年に発表されたロングセラーモデルで、エピフォンのアコギで楽器を始める「エントリークラスのプレーヤー向け」に好評。

画像をタップするとAmazonで表示 Epiphone Hummingbird Studio

赤味がほどよく退色した状態を再現した「フェイデッドチェリー」がレギュラーカラーで、ハミングバードプロ(Hummingbird Pro)という旧名称、ハミングバードスタジオ(Hummingbird Studio)という新名称の表記の両方を見かけます。

以前は白や黒、青など限定カラーもあったんだけど、最近は手に入りにくいよ。

グローバーロトマチックタイプのペグ(金属ボタンの糸巻)でチューニングが安定。ナット幅1.69インチ(約43ミリ)のスリムテーパーDシェイプネックは手の小さい方にも良い評判ですね。

The Epiphone Hummingbird PRO
The Epiphone Hummingbird PRO|エピフォン公式Youtubeチャンネル

ボディサイドバックのマホガニー材は合板(ごうはん)でコストを抑えつつ、サウンドへの影響が顕著なボディトップのみ単板(たんばん)スプルース材にて製作。

ギター初心者にお求めやすい価格帯でありながら、アンプに繋げられる「エレアコ」仕様なのも大きな魅力でしょう。

ピックアップ(マイク)の種類は、製造時期によってShadow(シャドウ)製とFishman(フィッシュマン)製が存在しているので細部が気になるようであれば事前に確認しておきましょう。

Epiphone上位モデルの新製品Inspired by Gibson Hummingbird

次は2020年11月に国内発売された製品、インスパイアドバイギブソン・コレクションのハミングバードです。

エピフォンのアコースティックギターで上位グレードにあたるMasterbilt(マスタービルト)シリーズとして取り扱われています。(※スペルはbuiltではありません)

ボディのマホガニー材およびシトカスプルース材がいずれもオール単板仕様で、何と言っても力強くリッチな広がりのある音色が人気です。

画像をタップするとAmazonで表示 Epiphone Inspired by Gibson Masterbilt Hummingbird Aged Cherry Sunburst
画像をタップするとAmazonで表示 Epiphone Inspired by Gibson Masterbilt Hummingbird Aged Antique Natural

「エイジド・チェリーサンバースト、エイジド・アンティークナチュラル」の2色とも少し光沢を抑えた質感の塗装なので、写真で見る以上に風格があります。「12弦モデル」も出ているので間違えないように注意しておきましょう。

前述のHummingbird Pro/Studioと比較すると、ナット幅や弦長は共通ですがやや丸みを感じるラウンデッドCシェイプのネックグリップもコシのある音色に貢献している印象です。

画像をタップすると楽天市場で表示 マスタービルト・ハミングバードのヘッドデザイン

従来型の「細長いヘッド形状」をギブソン本家に近づけたアップデートが施されており、「牛骨ナット・サドル、マザーオブパール・インレイ」など細部の素材にもこだわっていますね。

ゴールドプレートのクルーソンスタイルペグがかっこいい。

本製品はフィッシュマンのSonicore(ソニトーン)アンダーサドルピックアップ、Sonitone(ソニコア)プリアンプによるエレアコ仕様。

ボリューム/トーン調整ノブは、アコギとしての生音や外観を損なわないようサウンドホール側面に配置されているというのも好評です。

ギブソン版ハミングバードの種類とモデルごとの違い

以降はギブソン版のハミングバードを見ていきます。

ギブソンのアコースティックギター製品は、1980年代末からアメリカ北部モンタナ州のボーズマン工場をメインの生産拠点として製作。2021年に増床・増産がニュースになりました。

現在、レギュラーラインナップのハミングバードでは、Hummingbird OriginalとHummingbird Standardの二機種が代表格。さらに2022年10月にHummingbird Fadedが発売されました。

Gibson Acoustics: Explore The New Original and Modern Collections
Gibson Acoustics: Explore The New Original and Modern Collections|ギブソン公式Youtubeチャンネル

その他、比較的お求めやすい「Hummingbird StudioやHummingbird Sustainableといったバリエーション」や上述のハミングバード・フェイデッドと同時期にリリースされた「Generation CollectionのG-Bird」も見かけるかもしれませんが、デザイン・サウンドともに評価の方向性が異なってきます。

今回はあくまで王道、ギブソンUSA製品で最も標準的なハミングバードモデルに絞ってチェックしていきましょう。

キーストンペグ仕様のヴィンテージスタイルGibson Hummingbird Original

2020年から刷新された「オリジナルアコースティック・コレクション」のハミングバードオリジナルでは、やや淡いヘリテイジチェリーサンバーストと、美しいアンティークナチュラルが登場しました。

ボディやネックを縁取る「バインディング」まで少し飴色を帯びたアンティーク調となっています。

画像をタップすると楽天市場で表示 Gibson Hummingbird Original Heritage Cherry Sunburst

ここでは旧来のStandardモデルと異なり、クルーソンスタイルのペグで、ピックガードの絵柄もエングレイブ(彫り込み)方式が採用されていることが大きな特徴でしょう。

職人の丁寧な手作業による「トラディショナル・ハンドスキャロップドXブレーシング」を採用しており、軽やかさと力強さを兼ね備えたバランスの良い生鳴りが人気です。

画像をタップすると楽天市場で表示 クルーソンスタイルペグが特徴のハミングバードオリジナル

端的に「60年代初頭のヴィンテージ・リイシューモデル」という観点で選ぶなら、本製品もしくは後述するフェイデッドシリーズ、カスタムショップ製品が有力候補に挙がりますね。

ギブソン定番となったL.R.Baggs VTCエレメントピックアップのおかげでエレアコとしても即戦力だね。

グローバーペグ仕様のスタンダードモデルGibson Hummingbird Standard

続いて、2021年版からの「モダンアコースティック・コレクション」のハミングバードスタンダードを見てみましょう。

2020年の段階では、シンプルに「Hummingbird」というだけの型番でしたが、直近ではモデル名に「Standard」が付くようになりました。

画像をタップすると楽天市場で表示 Gibson Hummingbird Standard

チェリー系のイメージが先行するハミングバードですが、こちらは「ヴィンテージサンバースト」仕上げですね。ハンドスプレーゆえに個体ごとに雰囲気は結構変わってきます。

また、近くで見比べないと分かりにくいですが、ピックガードの絵柄が彫り込みではなく内層に描かれているという違いもあります。

画像をタップすると楽天市場で表示 グローバーペグのハミングバードスタンダード

本製品はキドニーボタンのグローバーロトマチックペグを搭載しているので、どちらかといえばタイトで伸びやかなサスティーンに聞こえる傾向です。

Original版と同様にピックアップにはアンダーサドルのL.R.Baggs Element VTCが備え付けられているのでライブやレコーディングで重宝してくれることでしょう。

スタンダードと銘打たれてるだけあって、汎用性が高く扱いやすいモデルだね。

2022年10月から発売された新シリーズGibson Hummingbird Faded

そして次にご紹介するのが2022年10月の新製品「ハミングバード・フェイデッド」です。

カテゴリとしては「オリジナルアコースティック・コレクション」なので「ハミングバード・オリジナル」側に近い分類となっています。

Faded Series | Gibson Original Collection
Faded Series | Gibson Original Collection|ギブソン公式Youtubeチャンネル

スペック面でキーストン・チューナー、ボーン素材のナット/サドル。ピックアップにL.R.Baggs Element VTCを標準搭載したエレアコ仕様であることなど、共通している要素が多いですね。

職人の丁寧な手作業による「トラディショナル・ハンドスキャロップドXブレーシング」を採用していることも「ハミングバード・オリジナル」と同様の方向性です。

画像をタップすると楽天市場で表示 Gibson Hummingbird Faded

フェイデッド仕上げというのはサテン調で薄めの塗装を指しており、ボディバックも明るめになっているので意外と印象が異なってきます。

「ハミングバード・フェイデッド」の場合は、チェリーがラインナップされているオリジナル、サンバーストがラインナップされているサンバーストと異なり、選べるカラーがナチュラルのみ。

そのあたりの好みも含め、オリジナル/スタンダードと見比べ・聞き比べ・弾き比べしてみましょう。

カスタムショップ版ハミングバードの種類とモデルごとの違い

さて、いよいよラインナップ最高峰にあたるギブソンモンタナ・カスタムショップ製品です

木材の厳選・少数精鋭による生産体制の都合などから、どうしても市場流通しているギターの本数は少なくなっているのでご注意ください。

Gibson Acoustics: Explore The New Custom Collection
Gibson Acoustics: Explore The New Custom Collection|ギブソン公式Youtubeチャンネル

ハミングバードに関しては、Custom Shopモデルの中で「ヒストリックコレクション」「モダンコレクション」にシリーズが細分化されており、それぞれのハミングバードがラインナップされています。

憧れのヒスコレモデルなら1960 Hummingbird Fixed / Adjustable

現行の「カスタムショップ・ヒストリックコレクション」では、1960年に発売された初期仕様を復刻したハミングバードが製作されています。

カラー表記は「ヘリテイジチェリーサンバースト」ですが、レギュラーモデルの色味とはずいぶん雰囲気が違ってきますね。

薄く吹いたラッカー塗装でオールドの質感を追求したVOS(Vintage Original Spec)仕上げかつ、ピックアップの付いていない純アコースティック仕様です。

画像をタップすると楽天市場で表示 1960ハミングバードの中古商品

本製品では、ボディトップのシトカスプルース材に施されたThermally Aged(サーマリーエイジド)処理が注目したいポイント。

これは酸素・湿度を厳密にコントロールしながら熱を加えることで、あらかじめヴィンテージのような経年変化の効果を木材にもたらす狙いがあります。

弾き始めの時点で自然なタッチレスポンスが感じられるので弾き込んでいくのが楽しみになるね。

スクリュー付きアジャスタブルサドルのハミングバード(旧モデル)の例
スクリュー付きアジャスタブルサドルのハミングバード(旧モデル)の例

ブリッジに関しては、タスクサドル両端にネジがついた可動式「アジャスタブルブリッジ仕様」と、通常の牛骨サドルによる「フィックスドブリッジ仕様」が選択できるようになっています。

前者が「パーカッシブで歯切れの良いサウンド」、後者が「力強くストレートなサウンド」と表現されることが多いでしょうか。

ブリッジの仕様による影響は好き嫌いが分かれる部分なので、じっくり比較検討してみてください。

とことん装飾の美しさを追求したHummingbird DeluxeとCustom

最後に「カスタムショップ・モダンコレクション」に位置付けられているハミングバードのデラックスモデルとカスタムモデルです。

Deluxeに関しては、ボディのサイドバックがマホガニー材ではなくローズウッド材になっており、他機種とは一味違った粒立ち、艶感の楽しめる音色になっています。

意匠面でハミングバードらしさを留めながら、パーフリングやサウンドホールロゼッタ、ヘッドバインディング等の装飾が華やかです。

さらにはハードウェアをゴールドパーツで統一した気品のある佇まいが別格でしょう。

製作時期によって、リッチライト指板とエボニー指板が使い分けられているよ。

Customに関しては、もはやハミングバードの枠組みを越えている感もありますが、AAA(トリプルエー)グレードのコア材で製作されたモデルです。

各所に豪華絢爛なインレイをあしらっており、滅多に店頭に並んでいる状態を見かけることはないので出会えたらラッキーなレベルですね。

まとめ

以上、エピフォン、ギブソンレギュラーモデル、ギブソンカスタムショップとブランド別に、2020~2022年モデルとしてハミングバード現行機種を整理してみました。

人気モデルであるがゆえに種類も多いところですが、予算の目安を比較して調べたり、候補を絞り込む参考になれば幸いです。ありがとうございました。

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