はじめてのアコギ選びでは「そもそも予算の目安が想像できない、ギターメーカーの種類が分からない」ところからスタートする方がほとんど。
そんなときに楽器店員が比較基準として紹介する定番機種、接客で最初におすすめする機会が多いのがヤマハFG800/FS800番台シリーズです。
ただし、じつはFG800/FS800番台シリーズには、全11機種ものラインナップが展開されています。
具体的には800/820/830/840/850という型番なのですが、どういう違いがあるのかギター初心者の方が見比べるのは一苦労ですよね。

2026年4月時点のメーカー希望小売価格は税込36,300円~税込52,800円だよ。
本記事では「ヤマハFG/FS800番台のモデルごとの違い」を簡単に解説、ステップ形式で選び方を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1:FGシェイプとFSシェイプでボディ形状の好みを選ぶ
まず、モデル名の先頭部分に記載されている「FG/FSの違い」から解説していきましょう。
モデル名の頭に付いている「FG」と「FS」でギター形状(シェイプ)が異なるので製品画像を並べてみます。
下画像はヤマハの同シリーズで最も安い価格設定のFG800/FS800モデル。
どこを見比べるのが分かりやすいかというとボディ中央付近です。FGシリーズとFSシリーズで楽器本体の「くびれ具合」が違うんですよね。
各シェイプの違いを説明するときの常套句になっているのが、
- 「コードストローク派にはボディが大きいFG(エフジー)シリーズ」
- 「フィンガーピッキングやソロギター派にはボディが小さいFS(エフエス)シリーズ」
ただ、それを聞いて「???」と思っても、あまり気にしなくて大丈夫です。
なぜなら最初のアコギであれば色々な演奏スタイルに挑戦することになるし、「自分がどういう奏法にハマるか」は練習を始めてみないと分からないからです。

それぞれ音量も違いがあるけど、ビギナーの人が想像しているほど大きな差ではないよ。
音色の性格(キャラクター)について少し補足すると、「楽器の大きさから影響を受けるところ」があって、力強いサウンドが出しやすいのはFG、繊細なサウンドが出しやすいのはFSという傾向になります。
FGとFSのどちらが好みかは直感で選んでほしいのですが、楽器の抱えやすさと弦の押さえやすさではFSモデルに軍配が上がるでしょう。
FSモデルのほうが「ボディの厚みが少し薄い」のと、ネックの弦長が短いことで「同じ太さの弦でもハリが弱くなる特徴」があるためです。
しかし、誤解してもらいたくない部分で「FGモデルが特段弾きにくいというわけではない」です。
いずれも極端にギターのサイズやデザインが違うわけではなく、FGボディとFSボディを比較するとわずか1センチ~3センチの差。
あくまで慣れの側面が大きいので、今の段階では「どちらかといえばFSモデルが弾きやすいかも…」といったニュアンスだと捉えていただければと思います。
ヤマハFG/FSのサイズを比較すると、弦長は650mm/634mm、全長は1,038mm/1,021mm、ボディ長は505mm/497mmです。

ショルダー付近・くびれ部分・最大幅もカタログに記載されていて、FGモデル は292mm×268mm×412mm、FSモデルは279mm×233mm×380mmとなっています。
ステップ2:ナチュラル色なら800~850番の全機種を候補にできる
さて、ステップ1の内容をおさえたら、今度は「FG800とFS800それぞれの系統のバリエーション」を選ぶことになります。
アコースティックギターとして最もオーソドックスなのがナチュラルカラー。実際シリーズの全機種にラインナップされています。
価格によって「サイドバック(側板・裏板)の木材や装飾に違い」があるので以下で順番に見てみます。
FG820とFS820からはマホガニーボディでバインディングが付く
ヤマハのFG820とFS820の製品写真は下記をご覧ください。「FS820とFG820の違い」はまずボディ形状でチェックするんでしたね。
ボディ中央付近のくびれが強いほうがFS820です。
「ステップ1」で見た800シリーズと比較して、「FG800とFG820の違い、FS800とFS820の違い」の観点で解説すると、ネックの指板(左手で握る部分)にバインディング(縁取り)が付いているのが分かるでしょうか。
バインディングがあることで入門モデル特有の「安っぽさ」は払拭され、遠目で見たときにも外観のメリハリが出ています。

ボディの木材もナトー/オクメ材からマホガニー材にアップグレードされているんだよ。
FG830とFS830はローズウッドボディの上品な音色で装飾も綺麗
続いて下記はヤマハのFG830とFS830というモデル。
「FG830とFG820の違いは?」「FS830とFS820はどっちがいい?」など、楽器店の店頭で頻繁に質問を受けます。
820については前項で紹介しましたが、830シリーズは「ローズウッド材で製作されたボディ」が特徴で明瞭で深みのあるサウンドに魅力があります。
この二機種は800番台シリーズの中でも、とりわけコスパの高さに定評があって人気ランキング常連のおすすめモデルになっています。
さらにFG830/FS830だと、820シリーズと異なり(指板だけでなく)ギターのヘッド周囲までバインディングが施されているのに気付きましたか?

第一印象で目立つサウンドホール(ボディ中央部)の装飾が華やかになっていることも、かっこいいポイントなのでチェックしてみてください。
FG850とFS850はマホガニートップでブラウン系の渋い雰囲気
そして、ステップ2の最後。FG850とFS850だけはボディトップが(スプルース材ではなく)マホガニー材を採用したモデルになっています。
同じ「ナチュラル・フィニッシュ」でもブラウン系の色味なので、すぐに見分けが付きますね。
木のぬくもりを感じさせる「家具のように落ち着いたウッディな雰囲気」が渋いので、FG850とFS850は他機種よりレトロな佇まいに感じる方もいるかもしれません。
こういった木材の種類は音色面にも影響してくるところで、中低音域のふくよかさが目立つ印象の製品となっています。
FGシェイプのみ「FG840」というフレイムメイプル材で製作された仕様があります。裏板・側板に美しい杢目(もくめ)が入っており、サウンドも明るく硬質な傾向です。※「FS840」はありません。
ステップ3:豊富なカラーから選ぶならFG820とFS820に注目しよう
いよいよステップ3ですが、ここはナチュラル以外のカラーで選びたい場合にご覧いただくのが良いでしょう。
端的には「ステップ2」でチェックしたFG820/FS820(マホガニーボディ)もしくはFG830/FS830(ローズウッドボディ)が候補になります。
830シリーズは「サンバースト」系のグラデーションに留まりますが、ヤマハFG820/FS820モデルは一番カラーオプションが多いのがポイントです。
つまり「FS820とFS830はどっちがいい?」「FG820とFG830はどっちがいい?」という質問に回答するなら、「スペックに関しては830が上位、カラーバリエーショを重視するなら820のほうが豊富」という説明になります。
たとえば、FG820の「ブラック、サンセットブルー」や、FS820の「ブラック、ルビーレッド、ターコイズ」が830のほうでは選べない選択肢ですね。
FG820/FS820は、2016年3月に前身モデルからアップデートされて以来のロングセラー商品。ボディシェイプが違うと、同系色でもイメージが少し変わってくるので各製品のバリエーションを見比べてみましょう。
まとめ
以上、できるだけシンプルにまとめてみましたが比較候補は絞れてきたでしょうか。
ヤマハFG/FS800~FG/FS850のアコースティックギターは、共通してボディトップに単板(たんばん)の木材を使用しています。

その表板を支えている力木は、スキャロップド・ブレーシングといって、優れた音響特性と耐久性を両立すべくヤマハが独自研究を重ねてきたものです。中低域のふくよかさ、きらびやかな倍音成分が心地よいですね。

ネック接合部やブリッジ形状も、YAMAHAで培われた長年のノウハウが活きているところだね。
同価格帯のアコギで比較したときの「弾きやすさ」はもちろん、「演奏者のタッチ強弱をしっかり反映してくれるので練習用ギターとしておすすめしやすい」部分も各方面で高評価を獲得している理由のひとつでしょう。
今回ご紹介したモデルごとの音色の違いについては、上記のFG820とFS820の比較演奏動画なども参考になるはずです。
本記事更新時点だと、ほとんどのモデルが実売価格3万円台です。「ギター本体だけでなく、アクセサリー類も準備しなくちゃ」という方は下記をチェックしてみてください。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました!




