ギターを始めるには「楽器本体以外で必要なもの・揃えるべき小物」が色々あって大変だと思いませんか?
たしかにエレキギターもアコースティックギターも周辺機材を挙げていくとキリがない…、とはいえ最低限必要なアクセサリー類に絞ってしまえば意外と難しくないです。

「ギター初心者の必需品」といってもアイテムごとに優先度が違うんだね。
本記事では代表製品を「優先順位順に」いくつか紹介しながら、その用途や基礎知識を楽器店員視点でシンプルに解説してあるので参考にしてみてください。
ギター初心者に最低限「必要なもの」はたったの3種類だけ
ギター初心者としてスタートラインに立つために必要なアクセサリーは3種類あれば何とかなります。思ったより少なくないですか?
三種の神器といったら大袈裟ですが、写真に写っている「ギターチューナー、ピック、替え弦」ですね。

ソフトケース(もしくはギグバッグ)に関しては、ほとんどのエレキギター/アコースティックギターで標準付属品に含まれているので今回の記事からは除外。以下、順番に見ていきましょう。

クリップチューナーは毎日練習の準備で使う重要なギターグッズ
エレキとアコギを問わず、ギターは一切触っていない場合でも時間が経つと音程が変わってしまいます。
ギター初心者にとって「チューナー(チューニングメーター)」は必須アイテムといえるでしょう。
液晶画面にデジタル目盛りで音程を表示してくれる製品なので、楽器未経験者で「音感に自信がない」という方でも全く問題ありません。
アコギのうち「エレアコ」という種類にはチューナー機能が内蔵されていたり、近年はスマホアプリ版のチューナーもあるのですが、ひとまずヘッドに挟むだけで使えるクリップチューナーは用意しておくと便利です。

一昔前までは、音叉(チューニングフォーク)やピッチパイプ(笛)が一般的だったよ。
ピックは何枚あっても困らないので色々な種類を試してみよう
「ピック」はギターアクセサリーとして最もポピュラーな小物ではないでしょうか。
フィンガーピッキング(指弾き)といって、ギターピックを使用しない奏法はありますが、エレキギター、アコースティックギターでは必需品に入ります。
その形状・厚み・材質は様々なラインナップがありますが、「ティアドロップ型やオニギリ型のピック」が特に定番です。

「消耗品かつ紛失しやすいもの」なので何枚あっても困らないよ。

中にはびっくりするくらい高価なものも存在しますが、標準的な製品なら値段はかなり安いので、コレクションを増やしながら何種類か試してみると弾き心地の違いが実感しやすいでしょう。
ギター替え弦は本体と一緒のタイミングで購入してしまうのが理想
「ギターの替え弦」については、自分の楽器に張られているのと同タイプをスペアで購入しておきましょう。
初心者の方はチューニングでオクターブを間違ってしまったり、力んでピックが強く引っかかってしまったり…。
本体が新品でも、ギター弦の切れるタイミングは読めないので予備を常備しておくのが必須といえます。
ギター弦に関しては、できれば「このギターに張ってあるのと同じタイプの弦をください」と最初に合わせ買いしてしまうのが一番手っ取り早いでしょう。

弦交換の方法は、動画で検索してみるのが分かりやすいね。自宅にニッパーがないときは一緒に揃えておこう。
もう一歩踏み込んだ内容は別記事で解説してあります。
必需品ではないけどあったほうが便利な道具について覚えておこう
ここから先の「必需品とまでは言えないけれど持っていた方がいいアクセサリー」については、エレキギターとアコースティックギターで必要なものが少し違ってきます。
優先順位としては「必須レベルではないものの、できれば早い段階で準備したい小物」くらいのニュアンスで予習してみましょう。
ギターアンプとケーブルがないと鳴らせない(エレキの場合)
エレキギターは生音でも鳴らせますが、正しく弾けているかどうかが分かりにくく変な癖が付きやすいです。
そこで「自宅練習用の小型ギターアンプ」は予算に応じて色々なバリエーションが選べるのでチェックしてみてください。
ボリュームを絞ればテレビくらいの音量になりますし、予算を上乗せすると「音色を加工するエフェクト機能、簡易的なチューナー機能」が搭載されていることもあります。
ただ、見た目が似ていても「エレキベース用アンプ」と間違えないように注意しておきましょう。
ギターとアンプをつなぐのに必要な「シールドケーブル」に関しては、ひとまず自宅練習用であれば2〜3メートル程度の長さが扱いやすいです。

近頃はヘッドホンアンプやスマホ/PCへのインターフェースで代用する人も増えてきたね。
カポタストを使って難しいコードをアレンジ(アコギの場合)
アコギで弾き語りをするなら「カポタスト(略称:カポ)」は準備しておくのが無難です。
簡単に説明すると、「コード(和音)の押さえ方はそのままで、演奏するキーを変えてくれる」便利アイテム。最初はイメージが付きにくいかもしれないですが、かなり登場頻度が高いアクセサリーとなっています。
複雑なコード進行の曲で難易度が下がったり、そもそもカポタストを使用する前提の楽譜も多いです。

昔はゴムバンドがスタンダードだったけど、最近はバネなどの機構でネック・指板を挟み込むタイプが主流だね。

カポタストには、長さや曲がり具合の違いがあるので「アコースティックギター用(フォークギター用)」と記載されているどうか事前に確認するようにしましょう。
ギターストラップを使った練習に慣れておくのがおすすめ
楽器を肩から吊り下げるときに使うベルトのことを「ギターストラップ」と呼び、主にナイロン素材やレザー素材が採用されています。
立奏(りっそう)すると、座って弾いているときとギターを構える位置・角度が変わるので徐々に慣れていきましょう。
なお、アコギの場合は、ネック側に「ストラップピンが取り付けられていないモデル」があるので選び方に少々注意が必要です。
ギターストラップについての基礎知識、よくある質問は下記で解説しているのでご活用ください。


ジョイント付近にストラップピンがないときは、紐が付属しているタイプを選ぶか、ヘッドに取り付ける別売アタッチメントを用意しよう。
ギタースタンドを使わないで壁に立てかけて保管するのはNG
演奏しないときに楽器を立てて置く「ギタースタンド」も多くのメーカーから発売されています。
折り畳み式(ポータブル仕様)になっている製品も人気なのですが、最初はできるだけ安定して自立する形状がおすすめ。
間違って倒したりしないように安全な場所に保管するのは大前提で、空調が直接あたる場所や窓の近くなど、気温・湿度が変化しやすい場所も避けておくのがいいでしょう。
スタンドの機種によって「エレキギター用、アコースティックギター用、ベース用が分かれている仕様」「ギター・ベース兼用の仕様」があるので、そこは要確認です。


運が悪いとスタンドから倒すだけでネックにヒビが入ったりするので油断しないようにね。
教則本の優先度は賛否あるけれど持っているに越したことはない
「ギター教本」に関しては、アプリやYouTubeに投稿されている入門用コンテンツで十分なので必要ないという意見もあります。
近頃はオンラインレッスンが無料体験できるサービスも選択肢になるでしょう。


ただ、それでも一通り網羅的な解説・譜面が載っている教則本は持っていて損にならないと考えています。
「収納スペースがかさばらない、すぐに読める」電子書籍版もあるので、むしろギター本体を選ぶ前に予習で眺めてみるのも参考になるはずです。

かつてはCDやDVD付の教則本が定番でしたが、近頃は再生環境がない人も多いかも。
落ち着いたらギターをお手入れするメンテナンス用品も揃えよう
以下では、練習を進めているうちに、いずれ必要になってくるギターのメンテナンス用品についてご紹介しておきましょう。
必ずしも「ギター本体の購入と同時に必要!」というわけではないですが、順次揃えていくのがいいと思います。

ギタークロスで乾拭きして汚れを取るのがメンテナンスの基本
「ギタークロス」というのは日頃のお手入れで「楽器本体や弦を磨く布」のことです。
「練習の後にこまめに乾拭きする習慣」が塗装の痛みを防ぎ、弦も長持ちさせてくれます。
わりとご家庭にある他の布類でも代用してケアできますが、既に汚れてしまったもの、繊維が荒いもの等はNG。悩むよりはギター用として市販されている製品が安心ですね。
洗って使える素材はありますが、ギタークロスも古くなってきたら、きちんと交換するようにしましょう。

ギター本体と弦では別々にクロスを用意しておくとベターだね。
ストリングワインダーを持っていれば弦交換の作業が早くなる
「ストリングワインダー」は、別名で「ペグワインダー」とも呼ばれます。
少しだけコツが必要ですがワインダーを持っているとペグ(糸巻)を回すのが楽になるので、弦交換にかかる時間が短縮できます。
ニッパーやアコギのブリッジピン抜きが一体になったオールインワン仕様のストリングスワインダーや、電池駆動タイプまであって面白いです。

昔ながらの業界用語(?)では「アルトベンリ(あると便利)」と言ったりするよ。
ギターポリッシュはしぶとい汚れ対策に使うクリーナーのこと
「乾拭きだけでは落ちにくい汚れを拭き取るときに用いる」クリーナー/スプレーがギターポリッシュです。
普段のクリーニングは乾拭きがメインなので、これは必要性を感じたときに揃えれば大丈夫ですね。
ローズウッド系やエボニー系など「無塗装の木材」を使った指板であれば、乾燥しすぎるのを防ぐために保湿用のオレンジオイル/レモンオイルも持っておきましょう。

塗装がデリケートな高価なギターでは、種類・特性に応じた選定が必要だよ。
個別に選ぶのが面倒ならアクセサリー類だけの初心者セットも候補
以上、ギターデビューするのに必要な小物を一通り整理してみました。
「やっぱり個別に選ぶのは億劫だなぁ…」というときは、ギター初心者セットの「アクセサリー部分だけをセット販売しているパッケージ」を揃えてしまうのも選択肢です。
ギター本体は友人・知人が貸してくれるから、「アクセサリー類だけ自分で新調してみようかな」というシーンもあることでしょう。
エントリーグレードの組み合わせで値段もリーズナブルものがあるので本記事を参考にしながら比較してみてください。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。