ギターはお店で買うべき?ネット通販でも大丈夫?|元楽器店員が語る

お店で買う?ネット通販も安心?利点欠点|元ギター店員が語るギター初心者の疑問

私は大抵の買い物を「ネット通販で済むならそれで済ませたい派」です。初めてギターを買ったのも1990年代でしたが、インターネットで初心者セットを買いました。

ただ「ギターは実店舗で選んだ方がいい」という声が根強いですよね。実店舗(リアルショップ)に行くのが無難なのか、最近はインターネット通販で買っても安心なのか

本記事では、長年「中の人」をやっていた販売側の事情をふまえて、現役時代には言いにくかったこと、見落とされがちな部分まで、それぞれのメリットとデメリットを整理してみました。

実店舗でギターを買うメリットとデメリット

まずは、実際にお店に足を運ぶことの長所と短所について考えてみよう。

楽器は実店舗で選ぶのが鉄則という意見は根強い
楽器は実店舗で選ぶのが鉄則という意見は根強い
実店舗がおすすめの理由
  1. たくさんの楽器が見比べられる
  2. 楽器の色味やサイズ感が把握しやすい
  3. 実物に触れながら試奏ができる
  4. その場で疑問を解決しやすい
実店舗が微妙な理由・注意点
  1. 交通費も時間もかかる
  2. 店員と会話しないといけない
  3. そもそも違いが分からない、見分けがつかないから迷う
  4. 展示品を買うことになる

「人によってはそんなの当たり前じゃん」と思うかもしれませんし、「必ずしも楽器限定でないトピック」もありますが、以下に整理して解説していきたいと思います。

お店に行けばたくさんの楽器が見比べられる

店舗ごとの規模・キャラクターによって異なりますが、都心部には常時数千本のギターを展示をしているショップもあります。

それはすなわち、一人で下調べしていた段階では全く知るすべのなかった製品に出会うきっかけになるかもしれません。

お店の立地やコンセプトによっては「初心者向けモデルを置いていないこと」もあるので注意しよう。

店舗なら楽器の色味やサイズが把握しやすい

カラーやサイズは実物を間近で見るに越したことがないですね。販売店のWEB掲載画像はかっこよく見えるように工夫して撮影されています。

自分が抱えたときにどんな具合に映るか、普段の服装に色味は似合っているか。店舗によってはスタンドミラー(姿見)を用意してくれているところもあるので、複数本を比較しながらのチェックがしやすいでしょう。

実物に触れたり試奏ができるのは大きな強み

試奏は「しそう」と読みます。たまに試演(しえん)、試弾き(しびき)という人もいますが、試奏(しそう)と呼ぶのが一般的。

最初はあまり違いが分からないと思いますが、購入検討中の楽器がどんな弾き心地なのか、どんな音がするモデルなのかを体験させてもらえます。

全然弾けなくても、その雰囲気、重量や重心の感覚を比べるだけで意味があるよ。

「何でも試奏できるとは限らない」ですが、購入を確定する前に「これは試奏できますか?」と店員さんに尋ねてみましょう。

分からないことをその場で気軽に質問できる

担当してくれる店員によって知識量はまちまちですが、それでも売れ筋商品の情報、お手入れの方法、練習方法など疑問点が出たときに、その場でプロのアドバイスをもえらえるのはありがたいところ。

「お取り寄せ商品」でなければ、その日のうちに家に持って帰って練習できるのもメリットです。

交通費の他に時間も想像以上にかかる

ここからは実店舗でギターを選ぶデメリットですね。お住まいの地域によっては、お店に辿り着くだけでも大変だったり、近場にほとんどギターショップがないという方も多いでしょう。

「わざわざ来たからには何か決めないと」という気持ちになり、不本意に選んでしまうのは避けたいよね。

楽器を選ぶ時間はもちろん、混雑具合によって、お会計後に調整や付属品の準備などのため長時間待たされてしまうことがあると思います。

店員との会話が苦手、強引な接客がつらい

店員さんとコミュニケーションを取ること自体に苦手意識を持つ方は少なくないでしょう

アパレルショップや家電量販店のイメージに通じる部分があって、ギターを下見していると、だいたいの店員はすぐさま声を掛けてきます。

「周りを見渡しても店員が捕まえられない・奥から出てこない」というお店もあったりはしますが、初心者コーナーだと話しかけられる頻度が高いのは間違いないです。

販売員には売上目標やノルマに準じるものがあります。あからさまに強引な接客をされる事例は減りましたが、本当はもっとゆっくり悩ませてくれたらいいのに…という場合も。

実物を見ても結局違いが分からないことも

予算設定にもよりますが、入門用のギターだけで結構なバリエーションがあります。

接客を受けていても「どれも同じに見えて迷う、違いが分からなくて判断できない」→「とりあえず出直します」と即決できないのは誰しも通る道でしょう。

「一本目は通販にしておいて、選定眼が付いてきたら実店舗」というステップを踏むのもありだよね。

普通は他人が触った展示品を買うことになる

実店舗では基本的に展示品(現品)を販売します。店頭のハンガーやスタンドに陳列されている個体です。

どのくらいに及ぶ期間、売場展示されていて、何人に試奏されたか分からないのは苦手という声も聞きますね。

モデルによってはバックヤードに未開封の在庫がある場合もありますので担当スタッフに尋ねてみるのは問題ありません。

ネット通販でギターを買うメリットとデメリット

次は年々シェアを増しているインターネット通販を利用した場合の長所と短所を具体的に見ていきましょう。

通販専門店の他、今やほとんどの楽器店がネットショッピングに対応している
通販線門店の他、今やほとんどの楽器店がネットショッピングに対応している
ネット通販がおすすめの理由
  1. 実店舗で売っていなかったモデルが見つかるかも
  2. 誰にも試奏されていない楽器が手に入る(※例外あり)
  3. すぐに手に入る情報のボリュームが多い
  4. 比較しながらの検討がしやすい
ネット通販が微妙な理由・注意点
  1. 見た目がイメージと違う可能性がある
  2. 信用できるお店かどうか分かりにくい
  3. 運送トラブルが発生するかもしれない
  4. コンディションに不安を抱きやすい

最近はギターのレンタルやサブスクという選択肢もありますが、それは別記事で解説しているのでここではネット通販に焦点を絞っていきたいと思います。

実店舗に置いていないモデルも探しやすい

まずは何より全国各地の楽器店から気軽に購入できるのは大きな強みです。

「限定カラー」など近隣の店舗で売り切れているときにも、日本中を探せばどこかには残っているかもしれません。

実店舗に関しては、展示スペースの都合などで仕入れを絞らないといけないことがあるよ。

試奏されていない楽器が手に入りやすい

通販利用でも、ここは例外があるので注意してください。店頭展示品ではないものが買えるのは、通販専門在庫がある場合です。

ネット通販でも店頭品を併売しているショップは多いので、気になる方は注文前に「未展示在庫を希望するけど可能かどうか」という旨を問い合わせてみましょう。

※出荷前検品などのために、ダンボールを開封することはあります。

製品仕様や口コミをマイペースで調べやすい

各社WEBサイトは短時間で商品選びができるように各店が特集ページなどの工夫に取り組んでいます。

店頭のプライスカードには書いていないような仕様の詳細・解説が掲載されていたり、音色の参考にデモ演奏動画を公開しているショップもありますね。

定番モデルなら第三者の口コミ・レビューも判断材料の参考にしやすいね。

複数ショップを比較してまわっても疲れない

店舗ごとに得意とする取り扱いのメーカー/モデルは異なります。リアルショップだと何軒もハシゴするのにヘトヘトになりますが、当然WEB通販なら苦労しないでしょう。

実店舗利用だと、購入後も普段持ち慣れていないギターケースを混雑した電車で持って帰らないといけないのは意外としんどいです。

そこそこ重さもあるので、両手が塞がって周りにぶつけたりしないように注意するのは骨が折れます。

ギターの実物と写真の見た目違う場合がある

続いて、ここからはネット通販の短所の部分ですね。

インターネット通販の製品画像はサンプル写真が主流ですが、木目や色味は一本ごとに個体差があるもの。

特にブルー系、グリーン系などの色味は撮影環境・モニター環境によって雰囲気が変わりやすいね。

ショップや商品ごとに規定は異なりますが、「イメージと違ったから」という理由での返品は断られることが多いです。

信用できるお店を調べるのに一苦労する

通信販売だとスタッフや現場が見えない分、信頼できるお店かどうかは念入りに確認したいところ。

モールに出店しているようなショップでも会社概要などチェックしておきましょう。大手楽器店の公式通販サイトに似せた怪しいページもあります。

実際、楽器店に勤めていると(詐欺サイト・転売サイトで)「注文したのにギターが届かない」というお問い合わせは絶えないです。

最近はプレ値での転売にも気を付けて比較する必要があります。

運送トラブルが発生することはある

ギターの強度はモデルによって異なりますが、基本的に楽器はデリケートなつくりです。

各社とも緩衝材や梱包の方法などに留意していますが、どうしても一定確率で運送事故は起きています

こちらに過失がなければ補償してもらえるはずですが、ショップ側との面倒なやり取りは骨が折れるし、交換や返金に相応の時間がかかります。

まさか自分の荷物が…と思うけど、最初から配送トラブルの可能性は織り込んでおいたほうがいいね。

コンディションに不安を抱きやすい

気温や湿度など保管環境によってギターのコンディションは常に変化するものです。それは配送中・運搬中にも発生します。

ネットショップで全数検品を謳っているところは増えましたが、配送直前に倉庫保管品の検品調整を行うかどうかはショップによりけり。

実店舗で受け取るタイミングに目の前の店員さんがチェックしてくれたほうが安心感はありますね。

実店舗vsネット通販で一概には言えないところ

あとは実店舗vs通販というところで、しばしば勘違いされやすいところについて補足しておきましょう。

こういうアドバイスがあったけど、本当はどうなの?というお話にも触れておきます。

まことしやかに語られているけど、どのくらい信憑性はあるのかな。

実店舗よりインターネットで買う方が安い?

「ギターは実店舗で買うより、ネット通販で買うほうが絶対安い!」なぜなら店舗を運営するためにはテナント家賃や人件費など固定費ががかかっているから。

たしかにインターネットでは競合比較がしやすいため価格競争が激しくなる傾向はあります。

その一方で、ネット販売には実際の店舗とは異なった諸々のコストがかかっています。

配送センターなどの物流施設であったり、ECサイトの構築・保守費用、受注管理のシステム運用、カスタマーサポート窓口の運営、WEB広告費。ショッピングモール系の手数料負担や送料もあります。

そういった背景から、店頭販売限定の特価品・掘り出し物となっているギターも存在します。ケースバイケースですね。

ネットショップは不良品で失敗しやすい?

ネット通販は不良品にあたることが多いってみんな言っている。初心者は絶対に実店舗で買った方がいい!

こちらも言葉足らずなところがあって、あいにく実店舗でも不良品に引き当たってしまうことはあります

昨今では、ネット通販が口コミ・レビューでコケると売れ行きが厳しくなる、個別対応に苦労するので検品体制の見直しを進めているところが増えていると感じます。つまるところショップ選びが肝心ですね。

ただし人がチェックしている以上、どうしても初期不良の見落としは起こりえますし、自宅に届いて間もなくコンディションが変化することも珍しくないです。

少しでもリスクを減らすための対策として、通常より時間をかけた念入りな検品調整を依頼すれば配慮してくれることはあるよ。

いずれにせよ何か不具合が生じたときに備えてアフターケア・保証、返品規定のチェックなどは忘れないようにしておくのがベターでしょうか。

まとめ

以上、なるべくフラットに比較してみたつもりです。

実際、ネット通販は近年ますます利便性が高くなっていますし、実店舗のほうもカジュアルで入りやすいお店が増えた印象を受けています。

それぞれの利点・欠点を知ったうえで「お店に行くか、ネットショップを利用するか」自分自身にとってどちらが向いているか判断してみましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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