エレキギター初心者には正直おすすめしない仕様|元ギター店員が語る

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エレキギター初心者には正直おすすめしない仕様|元ギター店員が語る ギター初心者の疑問

ギター初心者の人が「このモデルをください!」と言ったとき、楽器屋の店員さんが「本当に大丈夫ですか?」と焦って確認してくる製品があります。

中級者~上級者向けのスペックなのかな?ネット通販だと気付かずに注文しちゃうかも。

それを「エレキギター入門機種として避けた方がいい仕様」と括ってしまうと語弊が出てくるのですが、「注意しておいたほうがいいイレギュラーな仕様」が存在するといったニュアンスでしょうか。

「選んではダメなモデル」とネガティブに捉えてほしくないのですが、以下で順番に説明していくので参考にしてみてください。

ギター初心者が楽器を選ぶとき気を付けたい3つの仕様

最初に購入するギター候補を絞り込む際に、「初心者向けモデルと書いている製品から探さなくてはいけない」といったルールは全くありません。

ただ、ビギナーの方がカタログやWEBページの仕様を細かく読み込んでいくのは大変。「気を付けたい仕様、判別しやすい部分」として、以下のようなポイントに注目してみましょう。

ギターは6弦仕様が標準、7弦ギター以上は多弦に分類されるので注意

多弦(たげん)ギターとは、文字通り張ってある「弦の数が多い」モデルのことです。

一般のギターであれば「6弦仕様がオーソドックス」なのですが、7弦、8弦、9弦‥といった具合にバリエーションがあります。

多弦モデルの大部分は現代的・先進的なコンセプトで設計されていると考えていただくのがよいでしょう。

多弦ギター(7弦以上のモデル)は初心者には非推奨
多弦ギター(7弦以上のモデル)は初心者には非推奨

一昔前であれば多弦モデルは高価な製品が多かったので、ギター初心者の方が間違って選ぶことはめったになかったと思います。

しかし、近年では多弦モデルの人気が上昇。お手頃な価格帯にも7弦ギターや8弦ギターのラインナップが増えてきました。

それらは特定の音楽ジャンルやダウンチューニング(低い音に調律すること)に最適化されていたり、演奏するためのテクニックも6弦ギターとは一味違ってくるんですよね。

はじめから分かって選ぶ分には良いのですが、十分に下調べをしたうえで、複数人のアドバイスを聞きながら吟味するのがおすすめです。

入門コンテンツも6弦ギター用に作られているもんね。2本目以降で挑戦するのが定石かな。

Ibanez/Iron Label RGDIX7MPB
ダウンチューニング専用ギアIRONLABEL RGDIX7MPBのデモ演奏動画|IBANEZ公式Youtubeチャンネル

いざ見比べてみると、ネックの幅やスケール(弦長)設計が違っていたり、ボディに使用されている各種パーツ類も異なっています。

多弦ギターの中でも、12弦ギターになるとまた毛色が異なり、見た目の違いは分かりやすいです。

ただし7弦~8弦ギターの場合は、全体のサイズ感も似ていて6弦モデルと見間違える可能性がありますのでネット通販を利用する際などは十分ご注意ください。

変形ギターはボディのバランスや演奏性に癖があるモデルに注意

おおざっぱに「変形ギター」といっても色々なバリエーションがあります。鋭角的なデザインもあれば、ときに四角かったり、ときに丸かったり。

そもそも何をもって変形シェイプとみなすかは人によりますが、エレキギターはボディ形状の自由度が高いです。

変形シェイプのエレキギターは座って演奏するには不向きな場合も多い
変形シェイプのエレキギターは座って演奏するには不向きな場合も多い

なかには見慣れないボディシェイプでも、人間工学に基づいた製品もあるので機種によりけり。

奇抜なデザインが弾きにくいとは限らないのですが、座ったままで弾けないモデルや、あまりに重心のバランスを取りにくいモデルは注意しておきましょう。

VOX APACHEギター紹介映像
VOX APACHEギター紹介映像|VOX AMP公式YOUTUBEチャンネル

ビギナーの方が変形ギターを選ぶことで力みにつながったり、いつの間にか練習が億劫になって挫折につながるケースはあります。

「他の定番モデルと持ち比べてどんなバランスに感じるか」、できれば実際に店頭やレンタルなどで一度試してみから選ぶことがおすすめです。

ステージ映えするし、ひとめぼれしたデザインなら諦めたくないけど迷うところだね。

ロック式トレモロは弦交換やチューニングに慣れが必要なモデルもある

ギター初心者の方でも、フロイドローズ(Floyd Rose)という名称はどこかで聞き覚えがあるかもしれませんね。「ロック式トレモロ」の代名詞といえるような製品です。

端的には画像のようにブリッジに通した弦を固定するための機構がついているのが特徴です。

ロック式トレモロブリッジはチューニングやセットアップに慣れるまで苦労する
ロック式トレモロブリッジはチューニングやセットアップに慣れるまで苦労する

ロック式トレモロにも種類があるのですが典型的な仕様は、チューニング、弦交換、セットアップの方法が特殊な手順になるので、「初心者は避けておいたほうがいい」とよく言われてきました。

その一方で、演奏したいジャンルによってはロック式トレモロが奏法上で必要な場合もあり、最近は比較的扱いやすくアップデートされた設計のブリッジも増えています。

How To Setup a Guitar With a Floyd Rose Tremolo
フロイドローズトレモロのセットアップの方法|ギブソン公式Youtubeチャンネル

正直ビギナーでも「慣れてしまえば困らないレベル」とも言えるのですが、少しでも挫折の要因をなくすという観点では、ブリッジパーツの仕様も留意しておいたほうがいいでしょう。

ロック式トレモロ以外ならではの演奏法があるし、チューニングの安定度ではメリットがあるよ。

番外編:ギター初心者がミニギターを選ぶのはどう思う?

これはエレキだけでなくアコギにも共通ですが、ギター初心者がミニギターを選んでも問題ないのかどうか。

ギターにはスモールボディやショートスケールの楽器があるのですが、それらよりさらに小さいタイプの「ミニギター」という分類があります。

持ち運び・保管をするのが非常に容易で、気軽に始めることができるミニギター。そんなコンパクトサイズのギターやアンプ内蔵型ギター等については賛否両論を耳にしてきました。

ギター初心者がミニギターを選ぶことには賛否両論がある
ギター初心者がミニギターを選ぶことには賛否両論がある

楽器店員同士でもよく話題になりますが、ギターの趣味を始める取っ掛かりとして「個人的にはあり」だと考えています。

ただし、あまりスケールが短い製品だとレギュラーチューニングに対応していないこと、安価なものだと音程やチューニングの精度に難が出やすい傾向はあります。

そのあたりは上記でレギュラーチューニングが可能なモデルに絞って紹介しているので参考にしてみてください。

ミニギターからフルサイズのギターに持ち替えたときに、慣れるまで時間がかかることは覚悟しておきましょう。

まとめ

以上、「絶対に避けるべき」というほどではないですが、ギター初心者が選ぶからには相応の心構えが必要なスペックについてご紹介してみました。

より具体的なメーカー・モデルの選び方は下記から解説記事の一覧がチェックできます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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