Squier(スクワイヤー/スクワイア)のAffinityシリーズは、Sonicシリーズよりワンランク上に位置するエントリーモデルです。
1997年の登場以来、定期的にアップデートされており、現在の主要ラインナップは2021年3月発表(同年9月発売)のモデルが中心になっています。
旧モデルと比較すると、ナット幅、ネック塗装、ペグ、ブリッジ、コンター有無、電装系、コントロールなどの仕様変更が行われました。現行機種の特徴について元楽器店員視点で解説していきたいと思います。
アフィニティ・シリーズは2021年にネックまわりが見直された
2021年に発売されたSquier AffinityシリーズはStratocaster、Stratocaster HH、Stratocaster FMT HSS、Telecaster、Telecaster Deluxe、Jazzmasterです。
製造時期やモデルによって中国製、インドネシア製の個体が混在しています。
ネック形状は薄めのCシェイプで、サラサラした手触りのサテン塗装仕上げを踏襲。
2021年以降はヘッド表面にグロス仕上げを採用してエントリーモデル特有のチープ感を抑えた仕様になりました。
あわせてナット幅が約40.6mmから約42mmに変更され、フェンダー標準に近づいたことも特徴です。
| 項目 | 旧仕様 | 2021年以降の仕様 |
| ネック塗装 | Satin Urethane | Satin Urethane with Gloss Urethane Headstock Face |
| ナット幅 | 1.6インチ (約40.6ミリ) | 1.650インチ (約42ミリ) |
| ペグ | Standard Die-Cast | Sealed Die-Cast with Split Shafts |
新旧でヘッドロゴの字体が変わり、ペグもヴィンテージ風のスプリットシャフトに変更。
弦の先端が穴に差し込めるので、ギター初心者の方にはこのタイプのほうが弦交換がしやすい思います。

アフィニティ・ストラトキャスターは2点支持トレモロに変わった
アフィニティ・ストラトキャスターは前述したネックやヘッド周辺の仕様変更に加えて、ブリッジ・コントロール・ピックアップもアップデートされました。
ブリッジについては、6点支持トレモロ(プレスサドル)が2点支持トレモロ(ブロックサドル)になったことで、アーミング奏法も行いやすくなっていますね。
コントロールについては、トーンノブがリアピックアップに効く配線となったことが挙げられます。
「ブリッジポジションがキンキンしすぎて扱いづらい」ときに、手元で高音成分をカットして調整することが可能です。
| 項目 | 旧仕様 | 2021年以降の仕様 |
| ブリッジ | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo | 2-Point Synchronized Tremolo with Block Saddles |
| コントロール | Master Volume, Tone 1. (Neck Pickup), Tone 2. (Middle Pickup) | Master Volume, Tone 1. (Neck/Middle Pickups), Tone 2. (Bridge Pickup) |
| ピックアップ | Standard Single-Coil Strat Standard Humbucking | Ceramic Single-Coil Ceramic Humbucker |
ピックアップについては、極端にキャラクターが変わったわけではないですが、歪ませたときにも輪郭が損なわれにくい明瞭なサウンドで人気です。
ハムバッカー搭載モデルのほうは、Affinity StratocasterをベースにしたHSS仕様だった旧モデルと異なり、2ハム仕様のAffinity Stratocaster HH(生産完了)、フレイムメイプルトップ仕様のAffinity Stratocaster FMT HSSに分かれました。
アフィニティ・テレキャスターは裏通しブリッジでコンターが付いた
アフィニティ・テレキャスターは2021年からバックコンター入りのボディが採用、裏側エッジ部分に滑らかな傾斜がついた形状となりました。
演奏者の身体にフィットしやすいので、ストラトに近い感覚で弾けて、従来型のスラブボディより軽量な個体も増えています。
また、以前のAffinity Telecasterは、ボディと平行に弦を通すトップロード(トップローディング)式だったのが、現行モデルではボディの裏側から弦を通す裏通し仕様に変更されました。
じつは2021年以前から両仕様が混在していたのですが、このブリッジ変更が伝統的なハリ感のあるサウンドに貢献している側面は大きいでしょう。

ピックアップについては、「Standard Single-Coil Tele」から「Ceramic Single-Coil」に換装されており、コシのあるサウンドを維持しながら、エッジが立った抜けの良いサウンドが楽しめます。
2021年9月リニューアル時には、Affinity Telecaster Deluxeもラインナップされていました。ヴィンテージリイシュー系のテレデラックスとは趣向を変えたポップなデザインでしたが現在は生産完了となっています。
Squierのテレキャスター選びについては別記事もあるのであわせてご覧ください。
アフィニティ・ジャズマスターはオーソドックスな仕様に近づいた
2021年に発売されたAffinity Jazzmasterは2点支持トレモロとシンプルなコントロール構成が特徴でした。
フローティング・トレモロやプリセット・トーンサーキットを取り払った仕様ではありますが、2017年に発売されたAffinity Jazzmasterが2ハムバッカーでハードテイルブリッジを採用したアレンジだったのと比較するとオーソドックスな方向に寄せたモデルです。

Affinity Series Jazzmasterはあいにく生産完了となっていますが、セラミックマグネットのピックアップを搭載しており、ジャズマスターの中でもずいぶんクリアで扱いやすい印象を受けました。
かわりにスクワイヤーの現行モデルでジャズマスターを選ぶなら、Squier Classic Vibe ’60s JazzmasterやSquier J Mascis Jazzmasterあたりがおすすめです。
2024年夏にアフィニティ・シリーズの派生モデルが追加された
2024年7月にシリーズ追加が発表されたのが、Affinity Stratocaster Junior HSS、Affinity Telecaster FMT SH、Affinity Telecaster Thinline、Affinity Jaguar、Affinity Starcaster Deluxeです。
どちらかといえば王道ではなく少し変化球のラインナップでしょう。
Telecaster ThinlineやJaguarは、過去にClassic Vibe SeriesやVintage Modified Seriesで発売されていたもののAffinityシリーズに入ったのは今回が初めてです。
Starcasterは、1970年代に登場したセミホロウモデルで、2013年のFender Modern Playerシリーズや2019年のAffinity Starcasterを経て、2024年からはAffinity Starcaster Deluxeとして再ラインナップされました。
Stratocaster Junior HSSは、ジャガーやジャズマスター相当の24インチショートスケールを採用。極端に小さなミニギターではなく、若干コンパクトなストラトキャスターと考えていただければと思います。
スクワイヤーDebut CollectionやSonicシリーズとの違いについて
以上、Affinityシリーズの現行モデルについて整理してきましたが、Squierの入門モデルであるDebut CollectionやSonicシリーズ(Bulletシリーズ後継)との違いについても簡単に解説しておきましょう。
Debut Collectionは、Amazon直販で見かける少々特殊な位置付けです。各シリーズのストラトキャスターとテレキャスターのスペックを下表にまとめました。
| 項目 | Debut Collection | Sonic Series | Affinity Series |
| Body | Poplar | Poplar | Poplar |
| Body Finish | Satin Urethane | Gloss Polyurethane | Gloss Polyurethane |
| Neck Finish | Satin Urethane | Satin Urethane | Satin Urethane with Gloss Urethane Headstock Face |
| Nut Material | Plastic | Synthetic Bone | Synthetic Bone |
| Nut Width | 1.650″ (42 mm) | 1.650″ (42 mm) | 1.650″ (42 mm) |
| Fret Size | Narrow Tall | Narrow Tall | Medium Jumbo |
| Scale Length | 25.5″ (648 mm) | 25.5″ (648 mm) | 25.5″ (648 mm) |
| Tuning Machines | Die-Cast Sealed | Die-Cast Sealed | Sealed Die-Cast with Split Shafts |
| Stratocaster Bridge | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo with Block Saddles | 6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo with Block Saddles | 2-Point Synchronized Tremolo with Block Saddles |
| Telecaster Bridge | 6-Saddle Top-Load Hardtail with Block Saddles | 6-Saddle Top-Load Tele with Block Saddles | 6-Saddle Strings-Through-Body Tele |
Squier Debut、Sonic、Affinityはいずれもギター初心者向けのラインナップで、ボディ材やスケールなどの基本部分は大きく変わりません。
塗装、ロゴ、ピックガード、ナット材、フレット、ペグ、ブリッジまわりなど細かな違いはありますが、スペックだけ見ると極端に別物というほどではないでしょう。
ただし、実際に三機種を持ち比べると、Affinity Seriesがパーツ構成や作りの面で一段しっかりしている印象を受けます。もし予算が許すのであれば個人的にはAffinityがおすすめしやすいですね。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。







