エレキギターの初心者セットでリーズナブルな製品を探そうとしたときの王道、定番モデルといえば「ストラトキャスタータイプ」は自ずと候補に入ってくるでしょう。
その進化系・派生型がきわめて多岐に渡るのですが、本記事では一番オーソドックスな分類のストラトタイプに絞ってご紹介してみました。
今回は2024年1月19日時点で、アクセサリー類を含めた初心者セットの予算が「税込1万円台前半~2万円中盤で選べる範囲」に注目。
「フォトジェニック、セルダー、レジェンド、バッカス」といったお手頃なメーカー/ブランドの機種を取り上げてみたいと思います。
元祖ストラトは発売されてから70年近い歴史があるんだね。エレキギターの普及に大きく貢献したモデルだよ。
ストラトキャスター入門セットのメーカーと主な特徴
入門セットのメーカーを挙げていくにあたって、最初に押さえておきたい予備知識として「Stratocaster」とはフェンダー社の製品名(登録商標)であることを知っておきましょう。
つまり、Fender製品とその直系ブランドSquier(スクワイヤー/スクワイア)製品しか「ストラトキャスター」と呼べない事情があります。
スクワイヤーより予算を抑えるのであれば、あくまでストラト「タイプ」という位置付けになります。
ストラトタイプは様々なブランドでラインナップされていて枚挙に暇がないのですが、さすがに「出自が分からない激安メーカー」だと不安ですよね。
ここでは既に入門用のエレキギターとしてポジションを確立している下記4モデルをおすすめに取り上げています。
ブランド名 | 読み方 | 型番 |
PHOTOGENIC | フォトジェニック | ST-180 |
SELDER | セルダー | ST-16 |
LEGEND | レジェンド | LST-Z |
BACCHUS | バッカス | BST-1R BST-1M |
それぞれデザイン細部が異なりますが、共通してモデル名に「ST」というアルファベットが入っており、これが「ストラトキャスター」を指した略称です。
ここで純ストラトキャスタータイプの設計を見てみましょう。
ボディ正面からチェックしていくと、ピックガードに吊り下げられた「シングルコイル・ピックアップというマイク」を3つ搭載していることが挙げられます。
出力元のピックアップをレバー状のセレクター(画像右上部分)で切り替えて音色(おんしょく)を変化させられるのが特徴です。このスイッチは曲間だけでなく曲中に変えることもあります。
「レスポールモデル」などの「ハムバッカー・ピックアップ」と比較すると、出力が抑えられてジャキジャキと切れ味の良いサウンドが出やすくなっていますね。
そして、横や背面から見ると分かりやすいのですが、ストラトシェイプは「エルボーカット」「バックコンター」と呼ばれる滑らかな曲線を描いたボディ形状がスタンダード。
他のエレキギターと比較して、フィット感が良くて抱えやすいのも魅力として挙げられるでしょう。
表中の4製品は全て「22フレット仕様」で演奏可能な音域の広さにも配慮されているね。
それでは、以下具体的に各社の製品をチェックしていくことにします。
フォトジェニックのエレキギターST-180がレビュー動画で定番
まず、PhotoGenic(フォトジェニック)製品はミニアンプと小物まで揃ったST-180の入門セットが有名です。
Youtubeでの「激安ギター弾き比べ・レビュー動画」等でよく見かける代表的な機種。特にAmazonで初心者セットのパッケージが購入できるようになって一層の知名度が上がりました。
じつは現在ほどネット通販が身近になる以前から、入門モデルとして非常に息の長いブランド。一昔前は雑誌に掲載されている通販広告などでもよく見かけました。
こちらのプロデュースを行っているのは「キョーリツコーポレーション」という楽器卸売会社です。
1979年の設立で愛知県名古屋市に本社を構えており、楽器業界に携わっていれば知らない人がいないほどの有名どころ。
もしかすると「フォトジェニックのストラト」を略した「フォトラト」という呼び方を目にすることもあるかもしれません。
ST180は製造時期によって細かなスペック変更があるものの、全19色にも及ぶ豊富なカラーバリエーションが人気を博しています。
フォトラトを改造して使うようなギターマニアもいる定番モデルだね。
セルダーST-16は初心者向けエレキギターで代表格のモデル
次にSelder(セルダー)製品のストラトタイプST-16モデルですが、2000年代以降で一気にスタンダードになったブランド。
こちらもフォトジェニックと同様に「キョーリツコーポレーション」が手がけているエレキギターです。
セルダーST16は全国各地の様々な楽器店で取り扱いがありますが、その中でもサクラ楽器がメーカー直営のダイレクトショップなので他店と比較して在庫状況が充実しています。
今から15年以上前の2007年、まだYoutubeの黎明期に公式デモ動画がアップロードされており、ギターサウンドを聞けるようになっていますね。
本製品も豊富なカラーバリエーションにこだわった17色の選択肢が評判です。
サクラ楽器のラインナップを見てみると、ギター単品販売の他に「7点セット、13点セット、16点セット、20点セット」と予算に応じてセットの種類が選べるようになっています。
レフティ(左利き用)のモデルは少し価格は上がってST-23LHという型番だね。
楽天市場では既に数千件のレビューが付いているモンスター級のヒット商品なので、その口コミも是非参考にしてみてください。
レジェンドのLST-Zも同価格帯の入門機種でロングセラー製品
続いてLegend(レジェンド)製品のギターで、シンプルなストラトスタイルだとLST-Zが該当します。
ベーシックな7色のカラー展開に加えて、ヘッドとボディの色を合わせたマッチングヘッド仕上げが3色。合計10機種が発売されているモデルです。
レジェンドは各種「エレキギター」だけでなく、ギター初心者向けの「アコースティックギター」も有名でARIAブランドに定評がある「荒井貿易」によるラインナップとなっています。
荒井貿易は愛知県名古屋市に本社を構える1956年創立の老舗。クラシックギターやギターアクセサリー類の輸入卸売でも知られていますね。
LST-Zの通販取り扱いショップでは、業界大手の島村楽器がカラー別に14点パッケージの初心者セットを組んでいるのが選びやすいのではないでしょうか。
ネット通販モールだと愛知県名古屋市の愛曲楽器、神奈川県海老名市のEbiSoundもランキング常連のレジェンド製品の取扱店として実績があります。
「LST-MINI」はミニギターでサイズが小さいから間違えないようにしよう。
バッカスのストラトタイプではBST-1R BST-1Mが初心者に人気
最後に「ディバイザー」社が手がけるBacchus Universe Series(バッカス・ユニバースシリーズ)のBST-1シリーズをチェックしてみましょう。
ディバイザーは長野県松本市にある楽器メーカーで、前身となったヘッドウェイ社は1977年に設立。Momose(モモセ)という自社ブランドや他社メーカーのOEM製造でも有名です。
バッカスには国産ハンドメイドの上位機種もありますが、本製品はエントリー層向けに海外生産されたモデルとなっています。
BST-1の型番末尾にある「R」はローズウッド指板(茶色系)、「M」はメイプル指板(ナチュラルな色味)の意味で「ネック表面部分の木材」について示したもの。
BST-1Rが9カラー、BST-1Mが4カラーのラインナップになっており、レフティだと品名に「LH」と入っています。
「ユニバースシリーズ」は日本国内市場だけでなく海外の楽器店にも流通。グローバルに評価されているビギナー向けモデルです。
本体価格に絞ってみると、先に挙げた「フォトジェニック、セルダー、レジェンド」に関してはほぼ値段が横並び。ギター初心者向けストラトタイプのなかでバッカスは少しだけ上の価格帯グレードといえるでしょう。
こちらも島村楽器のオンラインストアが力を入れているね。専門店バッカス堂を運営しているSOAR SOUNDも取り扱っているよ。
まとめ:「スタンダードを知る」ためにオススメのストラトタイプ
ギター初心者だと「迷ったらストラトにしておけば?」とアドバイスされることが多いので、それで検索して本記事をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
「まずはスタンダードを知っておきたい」「なるべく安い予算でエレキギターに挑戦してみたい」という方にとって、以上でご紹介した定番製品が代表的なところでしょう。
ストラトタイプの現代的な進化版といったところでは、「ヤマハ・パシフィカ」が汎用性の高いサウンド、快適なプレイアビリティ(演奏性)を追求していて人気です。
もう少し予算を上乗せできるなら、フェンダー本家やスクワイヤー製品のストラトキャスターについても候補になるので別記事を合わせて参考にしてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。