Fenderといえば「エレキギターやエレキベースのブランドイメージ」が先行しますが、じつは1960年代からアコースティックギターも生産しているメーカーです。
最近はアコギの現行ラインナップもかなり増えたので、公式サイトを見るだけでは違いが分かりにくくなってきました。本記事では元楽器店員視点でフェンダーアコギ・エレアコの選び方を解説していきたいと思います。
ギター初心者にはClassic DesignとCaliforniaがおすすめ
今回は主にギター初心者の方に人気のClassic Designシリーズ、Californiaシリーズを中心にチェックしていきます。
私たちが普段見慣れているアコギは、たいてい左右対称のヘッド形状で「6弦~4弦」「3弦~1弦」のペグ(糸巻)が両側に配置されていますよね。
「あまりフェンダーっぽくない」といったら変な表現ですが、3対3のペグ配置を採用したオーソドックスな仕様のClassic Designシリーズから解説をはじめます。

その一方、さながらエレキギターのようなヘッド形状を採用したユニークなアコギもラインナップされています。
「いかにもフェンダーらしい」片側6連ペグ(シックスインライン)と豊富なカラーバリエーションを採用したCaliforniaシリーズについては記事の後半で取り上げています。

CC-60S/CD-60Sが定番ながらCC-140SCE/CD-140SCEもおすすめ
フェンダー製品の中で最初におすすめしやすいのがClassic DesignシリーズのCC-60/CD-60系モデルです。
現行のClassic Designシリーズは、2017年1月にリニューアルされ、手が小さくても握りやすい形状の「Easy-to-Playネック」を採用しており、指板のエッジも滑らかに処理されているのが特徴。
エントリークラスの「安いアコギ」では薄い木材を複層にラミネイトした合板仕様が多いですが、本製品はスプルース材のトップ単板仕様で、生鳴りのクオリティにもこだわっていますね。
クラシックデザインシリーズは型番からボディサイズが分かるようになっていて、CCはConcert、CDはDreadnought、CPはParlorを略したものです。
具体的な型番はCC-60S、CD-60S、CP-60Sとなっており、個人的に一番おすすめしやすいのはCC-60Sでしょうか。
ドレッドノートサイズのCD-60Sより、気軽に抱えられる万人向けのサイズ感になっているのが理由です。
ボディが大きいCD-60Sのほうが力強い鳴りを出しやすいのは魅力ですが、実際試奏していただくと右腕で抱え込むのが少し大変に感じる方が一定数いらっしゃいます。
ネックの弦長について、CCモデルとCDモデルともに25.3インチスケール(約643ミリ)で共通になっているので、じっくり吟味してみてください。
また、Classic Designシリーズには、エレアコ仕様のCC-60SCE、CD-60SCEという派生モデルがあります。
録音しやすかったり、ライブで使いやすかったりというメリットがありますが、「カッタウェイの見た目がかっこいい」という理由だけで選ぶのも全然ありです。

そのSCEモデルには上位版としてCC-140SCE、CD-140SCEもラインナップされています。
べっこう柄のピックガード、オバンコール材のサイド&バック、アップグレードされた電装系、ハードケースの付属などとても魅力的なスペックです。懐事情が許すのであればぜひ積極的に検討してみましょう。
Redondo/Newporter/MalibuはPlayer版とCalifornia Standard版で比較する
続いて、フェンダーならではの個性派モデル、Californiaシリーズのアコギ・エレアコに注目してみましょう。
2018年3月にPlayer/Special/Classicという3種類のラインナップでスタート。
その後も2020年、2023年、2025年と定期的にモデルが追加され、現在は同シリーズ内にVintageやCalifornia Standardといったグレード違いが展開されています。
Californiaシリーズでは、Malibu、Redondo、Newporter、Montereyのように、カリフォルニアの沿岸都市やビーチカルチャーを連想させるモデル名が使われています。
まずは「モデル名=ボディシェイプ」で気になる候補を見つけて、そこからシリーズごとの仕様を比較していく流れが選びやすいでしょう。
ボディが大きいほど中低音の迫力や出音の力強さが際立ちますが、小ぶりなボディ特有のきらびやかなサウンドやピッキングレスポンスの良さもなかなか捨てがたいです。
| モデル名 | ボディ形状 | 弦長 | 特徴 |
| Redondo | ドレッドノート系の大きめボディ | 約25.5インチ | 低音と音量感を出しやすい |
| Newporter | オーディトリアム寄りの中型ボディ | 約25.5インチ | サイズと扱いやすさのバランス型 |
| Palomino | オーディトリアム寄りの中型ボディ | 約25.5インチ | 落ち着いた外観の中型ボディ |
| Monterey | オーケストラ/オーディトリアム系の中型ボディ | 約25.5インチ | 抱えやすさと音量感のバランス型 |
| Malibu | パーラー系の小ぶりなボディ | 約24インチ | 小ぶりでテンション感も軽め |
| Redondo Mini | ミニギター寄りの小型ボディ | 約22.75インチ | 部屋弾きや持ち運び向け |
カリフォルニアシリーズについては、基本的にトップ単板仕様(スキャロップドXブレーシング)・Fishman Flexプリアンプシステムを採用したPlayerモデルが中心的なグレードになっています。
「このボディシェイプが気になる」という機種を見つけたら、まずPlayerモデルを基準にして、合板仕様で価格を抑えたStandard、よりコンセプト色の強いClassicやVintageを順番に見ていくと分かりやすいでしょう。
Redondoについては、バリエーションによってカッタウェイの有無も分かれています。
ミニギターのRedondo Miniについては別記事で解説しているので下記を参考にしてみてください。
Acoustasonic/Highway Seriesは普通のアコギ・エレアコとは別ジャンル
フェンダーのアコギでいうとAcoustasonic(アコスタソニック)やHighway Series(ハイウェイシリーズ)を目にする機会が増えましたよね。
2025年4月に価格もお手頃なAcoustasonic Standard TelecasterとAcoustasonic Standard Jazzmasterが発売されました。
少し細かいですが、2019年1月に発表されたAmerican Acoustasonic Telecasterが注目を集め、American Acoustasonic Stratocaster(2020年1月)、American Acoustasonic Jazzmaster(2021年3月)、Acoustasonic Player Telecaster(2021年11月)といったバリエーションが拡充されてきた経緯があります。
ただし、Acoustasonicはアコースティックとエレキのハイブリッド的なコンセプトなので、「ギター初心者向けの普通のアコギ」としておすすめできるかどうかは解釈が分かれるところです。
2023年10月に発売されたHighway Series DreadnoughtやHighway Series Parlorも近い位置付けです。
実際に弾いてみると、とにかくボディの薄さが印象的で「エレキギター感覚で弾けるアコギ」というニュアンスが近いでしょうか。
「普通のアコギ、エレアコ」を探している方は、先にClassic DesignやCaliforniaシリーズをチェックしておくといいと思います。
まとめ
フェンダー製品のアコギといえば、他にもParamount、FAシリーズ、アーティストモデルなどが挙げられますが、本記事ではギター初心者が選びやすいClassic DesignとCaliforniaシリーズを中心に整理しました。
下の画像はSONORAN(ソノラン)という旧モデルですが、フェンダーのアコギは海や山のアウトドアに似合いますね。

お手頃価格で演奏性重視のアコギ/エレアコというと、「アイバニーズのパフォーマンスシリーズ」も人気ですので関連記事をご案内しておきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。







