【2026年版】フェンダー・ムスタング全機種を元楽器店員が解説

※一部の画像やリンクにはプロモーションが含まれます。
【2026年版】フェンダー・ムスタング全機種を元楽器店員が解説 ギターの選び方を解説

フェンダー・ムスタングはヴィンテージや他社コピー製品を除くと、「フェンダージャパンで数種類ラインナップされているだけ」の時代が長く続いてきました。

ようやくフェンダーカスタムショップ、フェンダーUSA、フェンダーメキシコ、スクワイヤーなどでムスタング製品が増え始めたのは2010年代中盤に入ってからのこと。

ムスタングの機種で選択肢が増えたのは近年になってからのこと
ムスタングの機種で選択肢が増えたのは近年になってからのこと

とても嬉しいことですが、「どのモデルが定番なのか、どういう違いがあるのか」迷ってしまうシチュエーションも増えました。

本記事ではFender/SquierのMustang現行モデル全機種の特徴や違いについて楽器店員視点で解説してみました。

ムスタングの初出は1964年。コンパクトなボディシェイプと24インチ・ショートスケールのエレキギターで気軽に演奏できるのが人気だね。

現代仕様:ハードテイル版のムスタングは扱いやすさ重視

まずは「ハードテイル・ブリッジのムスタング」から見ていきましょう。初心者向けモデルや、モダン仕様の機種によく採用されているタイプです。

Fender Mustangといえば、この画像に写っている「ダイナミックトレモロ」というブリッジ(ヴィブラート機構)が大きな特徴でした。

ギター・マガジン 2021年5月号
画像をタップするとAmazonで表示 リットーミュージック ギター・マガジン 2021年5月号

しかしながら、その特徴的なパーツをあえて固定式にした「ハードテイル仕様」の人気が高まっています。

一見すると「ストラトキャスターのブリッジ」に似ていますが、アームを入れる穴や背面キャビティ(四角いザグリ加工)がない設計ですね。

フェンダー・旧ムスタング90に採用されているハードテイルタイプのブリッジ
フェンダー・旧ムスタング90に採用されているハードテイルタイプのブリッジ

当然、アームで音程を変化させる奏法(アーミング)ができなくなってしまうことはデメリット。

しかし、チューニングやセットアップの手間が省けるうえに、手頃な価格帯のモデルが多い点は大きな魅力です。

「ミュージックマスター」や「デュオソニック」のような兄弟姉妹モデルにも近いスペックだね。

ボディシェイプやピックガード形状は異なるがデュオソニックを彷彿させるスペックでもある
ボディシェイプやピックガード形状は異なるがデュオソニックを彷彿させるスペックでもある

以下、具体的な製品を順番にご紹介していきます。

スクワイヤーのソニック・ムスタングがギター初心者にすごく売れている

まずはフェンダー直系の低価格帯ブランドであるスクワイヤー(スクワイア)製品が売れ筋ですね。

2023年6月に発売されたソニック・ムスタングは、エントリーモデルとして好評だったバレット・ムスタングの後継機種にあたります。

Squier by Fender スクワイヤー エレキギター Squier Sonic™ Mustang® HH, Laurel Fingerboard, Black Pickguard, California Blue ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示
Squier by Fender Sonic Mustang HH
Squier by Fender スクワイヤー エレキギター Squier Sonic™ Mustang®, Maple Fingerboard, White Pickguard, Torino Red ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示
Squier by Fender Sonic Mustang

価格帯的にチープなサウンドを想像するかもしれませんが、小ぶりでかわいらしい見た目に反して、なかなかラウドに鳴ってくれるサウンドが魅力。

主にインドネシア工場で生産されており、型番に「HH」とつくハムバッカー搭載モデルと、「HH」がつかないシングルコイル搭載モデルの2種類が用意されています。

Exploring the Squier Sonic Series Mustang Models | Fender
ender公式Youtubeチャンネル|Exploring the Squier Sonic Series Mustang Models

2017年に発売されたBullet Mustangと同様に、ソニック・ムスタングでもボディには軽量なポプラ材を採用

ただし、旧バレットシリーズ(画像)とは異なりフラットで伝統的なボディデザインに近くなっていますね。

旧バレットムスタングはボディ両面を曲面に仕上げるコンター加工が施されていた
旧バレットムスタングはボディ両面を曲面に仕上げるコンター加工が施されていた

発売当初のラインナップはシングルコイルモデルに「2カラーサンバーストとトリノレッド」、ハムバッカーモデルに「カリフォルニアブルーとフラッシュピンク」でした。

その後、2026年4月にはダフネブルー(シングルコイルモデル)、ブラック(ハムバッカーモデル)が新色に追加されています。

ギター初心者向けにアクセサリーセット付きで販売しているショップもあるよ。

プレイヤーIIムスタングが現行ラインナップの基準となる代表機種

続いてはメキシコにあるフェンダー・エンセナダ工場製のムスタングモデルです。

この「プレイヤーシリーズ」にはムスタング以外の機種も数多くラインナップされており、現在のフェンダーにおいて標準的なグレードと言えます。

プレイヤーIIムスタングはオーソドックスなシングルコイルピックアップ構成で、ボディはアルダー材で製作された仕様ですね。

Fender フェンダー エレキギター Player II Mustang®, Maple Fingerboard, Hialeah Yellow ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示 Fender Player II Mustang

もともと2016年夏にリリースされた「オフセットシリーズ」が2020年以降は「プレイヤーシリーズ」に編入。その後、2024年7月に発表された「プレイヤー2シリーズ」としてアップデートされた経緯があります。

Player II Mustangのネックはグリップ感を向上させる目的で、指板サイド部分のエッジをわずかに「ロールオフ」されている特徴があります。

ヘッドロゴやペグもプレイヤーシリーズからはアップデートされたよ。

Exploring the Player II Mustang | Player II Series | Fender
Fender公式Youtubeチャンネル|Exploring the Player II Mustang | Player II Series

先に紹介したソニック・ムスタングと同様にピックアップ・セレクターが3wayスイッチになっている点は、初代プレイヤーシリーズ同様に操作性を重視したアレンジといえます。

アルニコ5マグネットのピックアップで、バランスの良いクリアーなサウンドですね。

「ブラックと3カラーサンバースト」「アクアトーンブルー、バーチグリーン、ハイアリアイエロー」でピックガードとピックアップカバーの色の組み合わせが異なります。2026年6月には新色「カクタスグレー」が追加されました。

王道仕様:ダイナミックトレモロ版のムスタングはヴィンテージ志向

ここからは「ダイナミックトレモロがあってこそのムスタングだ」という王道路線・ヴィンテージ志向の方に向けての内容です。

「Mustang」には「小型の野生馬」という語義がありますが、「ダイナミックな効き方をするアーミング・ヴィブラート機構」は特にジャジャ馬な使い勝手を感じるかもしれません。

コンペティションストライプ(レーシングストライプ)は現在限定生産モデルのみのラインナップになっている
コンペティションストライプ(レーシングストライプ)は現在限定生産モデルのみのラインナップになっている

ダイナミックトレモロ搭載機種は、コントロールもフェイズが切り替えできるスライドスイッチ式になっており、とことん「ムスタングらしさ」を重視したカテゴリといえるでしょう。

クラシックバイブ60ムスタングはスクワイヤー上位の正統派モデル

Classic Vibeシリーズはスクワイヤー(スクワイア)製品の上位ラインで、リーズナブルな価格でオーセンティックな仕様を実現しています。

具体的には2019年に再編された「クラシックヴァイブシリーズ」にラインナップされているムスタングが下記。

Squier by Fender エレキギター Classic Vibe '60s Mustang®, Laurel Fingerboard, Vintage White ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示 Squier by Fender Classic Vibe 60s Mustang

カラーオプションは、若干イエローの色味を帯びた「ヴィンテージホワイト」と淡い「ソニックブルー」の二色です。

いずれもべっ甲柄ピックガードを搭載しており、以前の仕様と比べてトーンを落とした渋い色味になっていますね。

Squier Vintage Modified Mustangは生産完了で、ボディ材・ブリッジサドル・ピックガード・ペグの種類などが異なっているよ。

ネックの塗装は、わずかに飴色がかったヴィンテージ調の質感なので雰囲気があります。

ポプラ材のボディで、ピックアップは「アルニコマグネットのフェンダーデザイン」が搭載されたコスパ良好のムスタングとなりました。

トラディショナル60sムスタングが旧フェンダージャパンの系譜にある王道

Made in Japan Traditionalシリーズは、旧フェンダージャパンの系譜にある日本製モデルとして「60sムスタング」が生産されています。

2017年の発売当初、指板の湾曲は7.25インチRでしたが、2020年のアップデートで少しフラットな9.5インチRに変更されました。これにより、弦高を低くセッティングしても音詰まりしにくくなっています。

Fender エレキギター Made in Japan Traditional 60s Mustang®, Rosewood Fingerboard, Olympic White
画像をタップするとAmazonで表示 Fender MIJ Traditional 60s Mustang

現行機種は、バスウッドボディとメイプルネックの形状がUSA製の採寸データに基づいて設計し直されている点も魅力です。従来の60sモデルよりナット幅もわずかにスリムになりました。

ピックガードは「ダフネブルー」だとパーロイドで、「オリンピックホワイト」だとべっ甲柄。そして、この角ばったプラスチックボタンのf-keyチューナーにこだわる方は多いでしょう。

直近のレギュラーカラーはオリンピックホワイトのみ。ときどき限定カラーがスポット生産されているよ。

スペック面での違いはありますが、「フェンダージャパン時代のMG65、Japan Exclusive時代のClassic 60s Mustang」に相当するモデルを現時点でお探しなら本製品が候補となります。

トラディショナル70sムスタングに一世を風靡したマッチングヘッドが復刻

Made in Japan Traditionalシリーズにはもう一つのバリエーションとして、2025年3月発売の「トラディショナル70sムスタング」がラインナップされています。

先述の60sモデルとはボディ形状が異なり、ストラトキャスターのようにボディ表裏へ滑らかな傾斜が施されているのが特徴です。

Fender フェンダー エレキギター Made in Japan Traditional 70s Mustang®, Rosewood Fingerboard, Candy Apple Red ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示 Fender MIJ Traditional 70s Mustang Matching Head Candy Apple Red

エルボーコンター/バックコンターが付いている1969年以降の個体をモチーフとしており、ペグにはホワイトボタンのf-keyチューナーが採用されました。

ボディとヘッドをキャンディアップルレッドで統一したマッチングヘッド仕様は、2020年にも日本製で限定生産されており、フェンダージャパン時代のMG69/MH OCRや、Japan Exclusive時代のClassic 70s Mustangの系譜を継ぐモデルと言えるでしょう。

「けいおん!」であずにゃんこと中野梓(CV:竹達彩奈さん)が弾いていた「むったん」、通称「あずにゃんぐ」を彷彿させるデザインでもあります。

ヴィンテラIIIのMid60sムスタングは忠実にヴィンテージスペックを再現

さて、次はメキシコ製のモデル。数年前まで「ヴィンテージスペック=日本製」という図式だったのですが、先ほど紹介した「MIJトラディショナルシリーズ」も最近は少々モダンな方向にシフトしています。

より純粋なオールド志向が好みであれば選択肢となるのが「ヴィンテラシリーズ」です。2019年にヴィンテラ1、2023年にヴィンテラ2、2026年にヴィンテラ3とアップデートされてきました。

Fender/Vintera III Mid '60s Mustang Rosewood Fingerboard Olympic White フェンダー
画像をタップするとAmazonで表示 Fender Vintera III Mid 60s Mustang

直近のヴィンテラ3ムスタングでは、60年代中盤の個体をラウンド貼りローズウッド指板で再現。7.25インチR指板との組み合わせで立ち上がりの早い軽やかなサウンドが楽しめますね。

「VINTAGE STYLE FOR THE MODERN ERA」というコンセプトのもと、フェンダー・エンセナダ工場で製作されているよ。

Exploring the Vintera III Offset Models | Vintera III | Fender
Fender公式YouTubeチャンネル|Exploring the Vintera III Offset Models | Vintera III

「オリンピックホワイト」にはべっこう柄ピックガードとホワイトカバー、「ダコタレッド、ソニックブルー」には光沢のあるパーロイド・ピックガードとブラックカバーが採用されています。

ヴィンテラシリーズのスペック変遷については下表にまとめたので参考にしてみてください。

モデル名Vintera 60s MustangVintera II 70s MustangVintera III Mid ’60s Mustang
発売年2019年2023年2026年
ボディスラブボディコンターボディスラブボディ
ペグホワイト丸ボタンホワイト角ボタンホワイト丸ボタン
ネック’60s “C”Early ’70s “C”Mid ’60s “C”
フレットVintageVintage TallVintage Tall
ピックアップVintage-Style ’60s Single-Coil MustangVintage-Style ’70s Single-Coil MustangVintage-Style Mid ’60s Single-Coil Mustang

アーティストモデル特有のユニークな仕様のムスタング製品

ここからは純粋なムスタングとは別のバリエーションです。

ギター・マガジン 2025年7月号
画像をタップするとAmazonで表示 ギター・マガジン 2025年7月号

アーティストモデル特有の変わりダネ、個性的なアレンジを取り入れたムスタングを3本ほどご紹介します。

Charモデルはムスタングとストラトキャスターを融合させた斬新な発想

日本におけるムスタング人気を確立した立役者、Char氏のシグネチャーモデル(Made in Japan)が2019年に発売されています。

2012年にフェンダーカスタムショップから「Char Free Spirits Mustang(御召茶色)」が発売されましたが、本製品はその復刻版ではなく、新しいコンセプトで設計されたモデルです。

Fender エレキギター Char Mustang®
画像をタップするとAmazonで表示 Fender Char Mustang

最たる特徴は、ストラトキャスター風のシンクロナイズド・トレモロを組み合わせているところ

ブリッジプレート下にスプリングを設置するのではなく、ムスタングでありながらボディ背面にトレモロスプリングのキャビティがあるのが面白いですね。

ボリュームコントロールの配置やピックガード形状まで、ストラト的な発想を大胆に取り込んだ専用設計。なかなかに「天邪鬼」なモデルといえるでしょう。

ショートスケールにも関わらず、テンション感があって低音弦までしっかり鳴ってくれると評判だね。

2025年7月にはPink Paisleyバージョンが、Fender Flagship TokyoおよびFender公式オンラインストア、ならびにZICCAにて限定販売(70本)されていました。

Ben Gibbardムスタングはアッシュボディのチェンバード構造が珍しい

続いて2021年春から発売されているベン・ギバード・シグネチャーモデルのムスタングについてチェックしてみましょう。

Death Cab for CutieのBen Gibbardモデル、MEXICO工場製でサインプリントはヘッド裏にあります。

Fender フェンダー エレキギター Ben Gibbard Mustang®, Maple Fingerboard, Natural ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示 Fender Ben Gibbard Mustang

ベン・ギバード本人がツアーで愛用しているムスタングにインスピレーションを受けたもので、チェンバード構造で軽量化、美しい木目のアッシュボディが特徴でしょう。

ピックアップ特性も実機をもとに設計されていて、ボディ内に空洞を設けたことによる奥行きのある響きが美しいよ。

写真で見ただけでは分からないと思いますが、じつはテールピースが固定されており、従来型のムスタングより安定したチューニングとタイトなサウンドを実現することに貢献しています。

Exploring The Ben Gibbard Mustang | Artist Signature Series | Fender
Fender公式Youtubeチャンネル|Exploring The Ben Gibbard Mustang | Artist Signature Series

さらに、一般的なスライドスイッチが付いておらず、「ダミーのトーンノブ、ロータリスイッチ方式のピックアップセレクター」となっているのも彼のこだわりだそうです。

ピックガードとのコントラストがあるナチュラルカラーで、近年は稀少になっているアッシュ材の木目が映えるムスタングになっていますね。

Chilli Beans.のMotoモデルはオルタナやポップス系バンドにもおすすめ

最後の一本は、2025年10月に発売されたChilli Beans. のMotoモデルです。チリビーンズ(チリビ)は2023年に「Fender NEXT」という次世代アーティスト支援プログラムに選出されています。

ボディとヘッドをブラックに統一したマッチングヘッドの精悍な佇まい、5フレットと12フレットのインレイが各弦の音名をモチーフにしているのが個性的ですね。

Fender フェンダー エレキギター Chilli Beans. Moto Mustang®, Rosewood Fingerboard, Black ソフトケース付き
画像をタップするとAmazonで表示 Fender Chilli Beans. Moto Mustang

軽量なポプラ材ボディのムスタングで、歪みノリの良いハムバッカーを搭載。セレクタースイッチはライブで扱いやすい3wayスイッチ仕様で設計されています。

オルタナやインディーロック、J-POP系のバンドサウンドに合わせやすいね。

プレイアビリティに優れた12インチRのフラットな指板とミディアムジャンボフレットを組み合わせ、ロック式ペグを標準採用していることによるチューニングの安定性、弦交換のしやすさも好評です。

Chilli Beans. Signature Collection
Fender Music Japan公式YouTubeチャンネル|Chilli Beans. Signature Collection

本製品はヘッド裏を見ると「Designed in California, Made in Indonesia」と記載されていますね。最近はインドネシア工場製のフェンダー製品がリリースされて話題になりました。

2025年に発表されたFender Standardシリーズに準じる生産ラインで、コストパフォーマンスの高さを追求したモデルといえるでしょう。

まとめ

以上のように「初心者向け~モダン路線のハードテイル仕様」「王道ヴィンテージ路線のダイナミックトレモロ仕様」「その他アーティストモデル」で分類すると候補を絞りやすくなる思います。

ムスタングモデルは新製品の追加も盛んですが、Player Series Mustang 90や、American Special Mustangの後継モデル的な位置付けのAmerican Performer Mustangなど一部縮小・終売傾向も見られるため、気になる機種は早めにチェックしておくのがおすすめです。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

スマホですぐに使える!オンラインチューナーとギターコード表を公開しました!

タイトルとURLをコピーしました