エレキギター初心者セットを予算1万円台〜2万円台前半で探していると「ストラトタイプ」が候補になりやすいです。
とはいえ、最近はAmazonなどで買える低価格・OEM系のブランドが増えていて、検索結果から何を選べばいいのか分かりにくくなりました。
本記事では、そんなシチュエーションでおすすめしやすいモデルを元楽器店員視点でピックアップしてみようと思います。

具体的にはSELDER ST-16、PhotoGenic ST-180、Legend LST-Zについて取り上げていきます。
正直なところ、入門モデルの違いを比較しても「この製品がダントツでおすすめ」と言えるほど大きな差はありません。
ただし出自のはっきりしない「おすすめしにくい楽器」が多い価格帯でもあるので、長年流通している定番モデルから選んだほうが無難です。以下の情報を参考にしてみてください。
初心者モデルの定番になっているストラトタイプの特徴
最初に「ストラトタイプ」という表現をしましたが、そもそもStratocasterはFender社の商標であり、Fenderおよび直系ブランドのSquier以外の製品はあくまで「ストラト風」のギターであるということは知っておきましょう。
今回解説しているセルダー、フォトジェニック、レジェンド、いずれも型番に「ST」の文字が入っていますね。
STタイプに共通の特徴としては、音色を切り替えやすいピックアップ構成、抱えやすいボディ形状が挙げられます。


ピックアップとは、弦の振動を拾ってアンプへ送る部品のことで、ピックガードにネジで吊り下げられた「シングルコイルタイプ」は歯切れのよい軽やかな音を出しやすい構造です。
レバー状のセレクタースイッチで鳴らすポジションを変更してボリュームやトーンを調整。丸く柔らかい音、ジャキジャキした音、中間の音を切り替えることができます。


「抱えやすいボディ形状」に関しては、楽器を横や背面から見ると分かりやすいでしょう。
角が丸まっているだけでなく、「バックコンター」「エルボーカット」と呼ばれるなだらかな曲面が設けられていることによって長時間抱えていても負担になりにくいデザインですね。
また、トレモロアームを用いて音程を変化させるヴィブラートをかけることができるブリッジパーツ(画像)もストラトタイプの醍醐味として補足しておきます。

フェンダーのストラトキャスターは1954年に発売。様々なエレキギターの設計思想に大きな影響を残しているよ。
予算1万円台で選べるセルダー、フォトジェニック、レジェンド製品
セット品の選び方次第で合計価格は前後しますが、SELDER ST-16、PhotoGenic ST-180、Legend LST-Zのミニマムな入門セットなら予算1万円台で選べます。
先に結論を言ってしまうと、3モデルの細かなスペックを比較して無理に優劣を付けるのではなく、「カラーバリエーション(下表)やセット内容、ショップの評判やセール状況の違いを見て判断する」くらいの温度感が良いと思います。
| モデル名 | カラー |
| SELDER ST-16 | ブラック、サンバースト、メタリックレッド、メタリックブルー、RDサンバースト、BLサンバースト、ホワイト、ブラック(メイプル)、サンバースト(メイプル)、アイビーグリーンバースト、ブラックパープルバースト、パープルサンバースト、アーミーグリーン、アッシュグレー(メイプル)、フロストミント(メイプル)、ライトブルー(メイプル)、ライトピンク(メイプル) |
| PhotoGenic ST-180 | ブラック、ホワイト、サンバースト、ブルーサンバースト、チェリーサンバースト、メタリックブルー、ライトブルー、レッドサンバースト、メタリックレッド、サーフグリーン、バーガンディ、サンバースト(メイプル)、ブラック(メイプル)、ホワイト(メイプル) |
| Legend LST-Z | グロスグリーン、グロスブラック(メイプル)、3トーンサンバースト、ブラック、キャンディアップルレッド、メタリックブルー、ホワイト、ブルーブラックサンバースト、レッドブラックサンバースト、ブラックブラック、キャンディアップルレッド・マッチングヘッド、メタリックブルー・マッチングヘッド、ブラック/ブラックパーツ |
もう少し具体的に見ていくと、SELDERとPhotoGenicを手がけているのは、愛知県名古屋市に本社を構える楽器卸売会社キョーリツコーポレーションです。
1979年の設立でギター本体やアンプだけでなく、ケースやアクセサリー類なども幅広く扱っているので、楽器業界出身で知らない人はいないと思います。
そのキョーリツコーポレーションが運営しているサクラ楽器がデモ演奏動画をアップしてくれていますね。
SELDER ST-16については、楽天市場に数千件のレビュー件数が集まっているモンスター級のヒット商品で、とにかくカラーバリエーションの豊富さが顕著です。
本来メーカー観点では、なるべく仕様の違いを減らしたほうが生産コストも抑えられるし、管理もしやすくなります。
つまり、エレキ入門セットとして定評のある売れ筋モデルだからこそ積極的にラインナップを拡充できているといえるでしょう。

レフティ(左利き用)のモデルは少し価格は上がってST-23LHという型番だね。
PhotoGenic ST-180については、セルダー登場以前から入門ブランドの代名詞になっています。
「フォトジェニックのストラトタイプ」を省略した「フォトラト」という通称があるくらい定着していますが、現在ほどネット通販が主流ではなかった時代、雑誌広告などの通販でもおなじみの製品でした。
ギター本体だけでなく、小型アンプやアクセサリーにもPhotoGenicの名前が付いていることがあるので、「他社の入門セットだけどアンプはPhotoGenicが付いている」といったパターンも見かけますね。
ST-16と比較するとカラーバリエーションは定番色に寄っていますが、それでもフェンダー系で主要なカスタムカラーは一通り再現されています。
続いて、Legend LST-Zについては、1956年創立の老舗楽器商社である荒井貿易が手がけているエントリーモデルです。
荒井貿易はクラシックギターにルーツを持つ会社でありながら、AriaやAria Pro IIといった自社ブランドの展開、ギター本体にとどまらず、周辺機材・アクセサリー製品まで幅広く扱っています。
LST-Zは王道カラーを中心にしながら、マッチングヘッド仕様、ブラックパーツ仕様なども選べるラインナップです。
ストラトタイプ以外のエレキ、アコギ、ベースの入門モデルもLegendブランドで販売されていますね。

LST-MINIというミニギター(全長 :905mm、弦長580mm)があるのでLST-Zと間違えないようにご注意ください。
もう少し予算を上乗せできるならバッカスやスクワイヤも視野に入る
ここまではセット予算1万円~2万円台前半を目安にしていますが、もう少し予算を工面できるのであればBacchus UniverseシリーズやSquier Sonicシリーズも候補になります。
Bacchusを手がけているディバイザーは長野県松本市にある楽器メーカーで、前身となったヘッドウェイ社は1977年に設立。Momose(モモセ)という自社ブランドや他社メーカーのOEM製造でも有名です。
Universe Seriesはエントリー層向けの海外生産ラインで、以前はBST-1R / BST-1Mが初心者向けストラトタイプとして人気でした。
両モデルとも2024年6月に生産完了となっているため、現行モデルではBST-1-RSM/Mがおすすめで、予算は初心者セットだと通常3万円台が目安ですね。
型番のRSMとは「ローステッドメイプル」の略称で加熱処理により木材の剛性を高めた仕様。2020年に発売されたRSMシリーズのバリエーションとして、BST-1-RSM/Mは2022年2月に発売されました。
あとは予算4万円台まで捻出できるのであれば、Squier Sonic Stratocasterで組まれたギター初心者セットも選べるようになります。
ボディの厚みがわずかに薄い寸法で設計されており、楽器の重量も軽めの個体が多いです。
本製品はFender直系ブランドなので「ストラトタイプ」ではなくて、正式にストラトキャスターが名乗れる正統モデル。
ソニックシリーズは2023年6月に発売されたのですが、生産完了となったBullet Stratocasterを後継するラインナップとして、ビギナー向けのAffinity Stratocasterよりさらにお手頃になっています。

本記事で取り上げたモデルはSonic Stratocasterだけ21フレット仕様、他モデルは22フレット仕様になっているよ。
まとめ:セット内容はアンプの種類によって価格差が付きやすい
ギター初心者セットは「〇点セット、△点セット、×点セット」という具合に、同ショップ内でも複数種類のパッケージを販売していることがあります。
アクセサリーごとの役割については別記事で解説していますが、セット品の価格差は付属アンプに由来する部分が大きいです。セット点数だけでなくアンプの種類をしっかりチェックしておくといいですね。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。






