ギターのレンタルやサブスクについて、時々ご質問をいただくようになってきました。本当にコスパが良いのかどうか楽器経験の少ない方には、いまいち分かりにくいのではないでしょうか。
私たちの身の周りには様々な「サブスク」や「レンタル」のサービスが展開されていて、検索してみると見つからないジャンルのほうが珍しいくらいかもしれません。
これまでカーシェア・レンタカー、結構式やパーティの洋服、アウトドア用品などのレンタルを利用した経験のある方は多いはず。
さて、メリット・デメリットといったら月並みですが、エレキギターやアコースティックギター(アコギ)の場合だとレンタル・サブスクの現状はどうなのでしょうか。
本記事では「ギターのレンタルはどういう人におすすめ?どういうサービスがあるの?」ということを楽器店員の視点から解説してみたいと思います。
ギターレンタルについての予備知識
ギター初心者の方には馴染みがないかもしれませんが、楽器業界で「スタジオ常設機材を時間制で借りられる」「PA業者が小規模でレンタル・リース事業をやっている」という形態はずいぶん昔からあります。
その一方、「自宅でギター本体のレンタルができるサービス」の選択肢が増えてきたのは意外にも近年のことなんです。
あえて所有しないという選択肢・価値観が年々ポピュラーになっているね。
もともとレンタル事業者視点で考えてみると、
- ギターは大きいので往復送料が高くなる
- クリーニングや弦交換、調整などのメンテナンスに手間がかかる
- 単価が高い分、破損や紛失などのリスク管理にコストがかかる
といった側面があります。
元値が安いギターであればレンタル価格もお手頃ですが、それでも都度、送料・メンテナンスのコストがかかるもの。
これは楽器に限ったことではないですが「1日~数日といった短期間レンタルプランより数カ月以上の長期間レンタルプランのほうが月額料金は安い」ことにつながります。
ユーザー視点のコスパに関しては「送料負担の有無や、トータルの費用でいくらかかるのか」というのを冷静に吟味する必要があるんですよね。
以下で、具体的な予算、ショップ、モデルを取り上げながら解説していくことにしましょう。
ギターレンタルを選ぶメリットがあるのはどういう人?
ギターレンタルを検討するのは初心者の方の比率が多いかとは思います。
正直、現状の相場を踏まえると、ギター初心者で「とにかく安くはじめたい」というだけであれば、1~2万円で買える新品の方が手っ取り早いのでは?というのが本音でしょうか。
レンタルだと「借り物なので管理や扱いに慎重になる必要がある」「受け取りだけでなく返送する際の梱包などが面倒」といったデメリットが気になります。
ただ、その一方で、
- 本当に続くか分からないのに買ってしまうと手離すときに手間がかかる
- せっかくだから「すごく安い楽器」ではなく、中級~上級クラスの楽器で始めてみたい
- 録音、レコーディングで楽器のバリエーションを増やしたい
- ギターを本格的に始めるというよりは、動画撮影や写真撮影、コスプレで使いたい
上記のようなシチュエーションの方にとっては、ギターレンタルやサブスクのプランを選ぶメリットが十二分にあると考えています。
スケジュールに余裕がない場合、ライブが差し迫っているというシーンでは避けた方が無難だよ。
「レンタルやサブスクは割高なんでしょ?」と思うかもしれませんが、そのあたりは次項を参考にしてみてください。
ギター初心者で「ある程度基礎を知ってから楽器店で選びたい」「ネット通販で失敗するのが怖い…」といった方にレンタルやサブスクは有力な選択肢となってくるでしょう。
ギターレンタルの取り扱い店を比較してみる
ギターレンタルの業界は結構移り変わりが激しいところなので、本記事更新時点で主要な取り扱いショップをいくつか具体的にピックアップしてみました。
エレキギターとアコースティックギターいずれも共通で、それぞれサービスの内容や相場感を比較する際の参考にしてみてください。
ヤマハの音レントは長年の定番ながらギター系は少し弱いところもある
ヤマハミュージックジャパンが運営している音レントは、楽器だけでなく防音室のレンタルまで行っていることで有名です。
ギター関連では「エレキギター、フォークギター(アコースティックギター)、エレアコ、クラシックギター、フラメンコギター、サイレントギター」といった具合にカテゴリが分かれています。
レンタル期間は最短6カ月からのロングプランと、最短1カ月からのショートプラン。どちらかといえば前者の対象アイテムが多く、あらかじめ新品と中古が選べるのが親切ですね。
音レントはどちらかといえば、もともとクラシック系の弦楽器や、管楽器に強いサービスですのでギター系はまだまだ強化段階といった印象でしょうか。防音室のレンタルも同サイトで紹介されています。
エレキギターは少ないですが、最近アコギやエレアコの取り扱いが徐々に増えてきました。
ラインナップはメーカー運営なのでヤマハ製品。(SPプランがある一部モデルを除き)アクセサリーなどの消耗品は基本的に自分で用意する必要があります。
店舗受け取り、自宅受け取りが選べるのと、気に入った楽器はレンタルから購入に切り替えることも可能です。
エレキギターでは、例えばセッションケーキというヘッドフォンアンプ付きの新品セットで下記のようなプランが挙げられます。
レンタル製品例 | YAMAHA PACIFICA 112V OVS SC-01セット |
レンタル料金(ショートプラン) | 税込8,910円/月額 |
レンタル料金(ロングプラン) | 税込3,520円/月額(6カ月で税込21,120円) |
こちらは新品で購入すると下記のような価格帯になっているので参考にしてみてください。
神田商会の運営するPlayG!でギターのサブスクが2020年8月にスタート
「Zemaitis」や「Greco」のブランドホルダーであり、その他に「D’Angelico」「Rotosound」「Grover」などの製品を取り扱っている神田商会。
1948年の設立から70年以上にわたって日本の楽器産業を牽引してきた卸販売会社で、その神田商会が2020年に開始したギターのサブスクリプションサービスがPlayG!(プレイジー!)です。
上記サービスはレンタル期間の上限も下限も設けられていないというのが斬新。気に入った楽器は(10カ月分迄の)レンタル料金を差し引いた額を払うことで、そのまま購入に切り替えることも可能です。
ゼマイティスやグレコといった代理店製品が中心かと思いきや、じつは意外とヤマハやスクワイヤーなどの定番モデルも取り扱っています。
レンタル対象のモデルは「ステージ1、ステージ2、ステージ3」とグレードが記載されており、それぞれの月額が税込2,970円、税込7,480円、税込19,800円と料金体系が非常に分かりやすいです。
※ステージ1は181日、ステージ2・3は91日に満たない場合、返送料をユーザーが負担となるのでご注意ください。
「新品、新品同様、美品、良品、並品」といった具合にコンディションが明記。返送料金を負担すれば別モデルに交換依頼することにも対応しています。
近頃はギターアンプの種類も増えていますね。以前は神田商会がグレッチの代理店をしていたこともあり、誰しも一度は憧れるホワイトファルコンもあります。
レンタル製品例 | Zemaitis CAF-80HCW Natural | Gretsch G6136-55 VS ’55 Falcon |
レンタル料金 | 税込2,970円/月額 | 税込19,800円/月額 |
こちらも参考までに新品で購入した場合の価格帯は下記のようになっています。
スターペグミュージックはセールやオプションも充実
スターペグミュージックは「ギターレンタル」で検索すると、かなり上位に公式サイトが出てくるので既にチェック済みの方も多いかもしれません。
アコースティックギター、ストラトキャスター、テレキャスター、レスポール、変形ギター、その他のカテゴリ。メーカーもモデルも低価格帯~高価格帯までかなり多彩なラインナップになっているのが際立ちます。
人気・評判が高いモデルは貸し出し中も多いですが、定期的にキャンペーンやセールが行われています。
レンタル期間は、それぞれ1カ月、3カ月、6カ月のいずれかのプランを選択する方式。
返却送料はユーザー負担ですが、税込880円の加算で破損・盗難などに備えることができる安心パックもあるのでスターペグ・ミュージック の公式サイトでチェックしてみてください。エレキオプション、アコギオプションといった初心者向けのアクセサリーセットが用意されているのが便利です。
レンタル製品例 | Bacchus BST-1M | S.Yairi YDT-18 |
レンタル料金(1カ月プラン) | 税込4,901円/月額 | 税込7,725円/月額 |
レンタル料金(3カ月プラン) | 税込2,701円/月額 | 税込5,525円/月額 |
レンタル料金(6カ月プラン) | 税込2,151円/月額 | 税込4,975円/月額 |
他サービスと比較して、かなり廉価な機種もあり、レンタル/サブスクでなかなか見かけないようなディスコン品、ニッチなモデルも多くて面白いですね。
家電やカメラで有名なレンティオでもギターレンタルが可能
Rentio(レンティオ)は、2023年5月時点のデータが公表されており月間利用者数が120,000人以上というのがすごいですね。
とりわけロボット掃除機や、キッチン家電、カメラのレンタルで有名なベンチャー企業の運営となっています。
「購入する前にちょっと自宅で試してみたい」というニーズにマッチした製品を多種多様に取り扱っており、インターネットに不慣れな方でも使いやすいWEBサイトです。
楽器に関しては、少し前まではデジタル機材、エフェクター類しか扱っていなかったのですが、最近はギター本体も取り扱われるようになりました。
今のところ、最低レンタル期間は3カ月で統一されていますが往復送料込みというのが特筆すべきところですね。
さらに保険料などのオプション料金も追加不要で、過失がなければ修理費の請求もないそうです。
ギター本体に関してはまだ選択肢が限られていますが、初月無料キャンペーンがあったりしますし、ギター関連機材、DTM用品の品ぞろえは充実していて今後の展開が楽しみです。
レンタル製品例 | Fender CD-60S 初心者セット | YAMAHA FG820 初心者セット |
レンタル料金 | 税込3,300円/月額 (3カ月で税込9,900円) | 税込4,200円/月額 (3カ月で税込12,600円) |
本来ソフトケースが付いているはずの製品がハードケースになっていたり、上記にいたっては「チューナー、ピック、予備弦付き」という配慮も嬉しいですね。
こちらも市場価格を目安として参考にしてみてください。
まとめ
楽器のレンタルやシェアリングエコノミーといった分野、じつは他にも面白い試みをしているサービスはちらほらと出てきています。
本記事では安心しておすすめできるメジャーな業者に絞りましたが、今後も新しいサービスは増えていくと思いますので、また面白いニュースなどがありましたら追記していきたいと思います。
もし、アクセサリー類を別途用意する場合には下記を参考にしてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。